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06月17日-02号

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  1. 奈良市議会 2004-06-17
    06月17日-02号


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    平成16年  6月 定例会平成16年奈良市議会6月定例会会議録(第2号)-----------------------------------     平成16年6月17日(木曜日)午前10時1分開議-----------------------------------議事日程 日程第1 議案第58号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて      議案第59号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて      議案第60号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて      議案第61号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて      議案第62号 平成16年度奈良市一般会計補正予算(第1号)      議案第63号 平成16年度奈良市下水道事業費特別会計補正予算(第1号)      議案第64号 奈良市税条例の一部改正について      議案第65号 奈良市共同浴場条例の一部改正について      議案第67号 奈良市非常勤消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部改正について      議案第68号 工事請負契約の締結について      議案第69号 工事請負契約の締結について      議案第70号 工事請負契約の締結について      議案第71号 公の施設の指定管理者の指定について      議案第72号 公の施設の指定管理者の指定について      議案第73号 公の施設の指定管理者の指定について      議案第74号 公の施設の指定管理者の指定について      議案第75号 奈良県住宅新築資金等貸付金回収管理組合の設立について-----------------------------------本日の会議に付した事件 第1、日程に同じ-----------------------------------出席議員(44名)                     1番   奥田正治君                     2番   浅川 仁君                     3番   三浦教次君                     4番   佐藤 亨君                     5番   大坪宏通君                     6番   矢野兵治君                     7番   大国正博君                     8番   山中益敏君                     9番   内藤智司君                    10番   藤本孝幸君                    11番   北村拓哉君                    12番   山口裕司君                    13番   幾田邦夫君                    14番   中西吉日出君                    15番   池田慎久君                    16番   榧木義秀君                    17番   森田一成君                    18番   土田敏朗君                    19番   高杉美根子君                    20番   大橋雪子君                    21番   山口 誠君                    22番   松村和夫君                    23番   井上昌弘君                    24番   中村篤子君                    25番   上原 雋君                    26番   松田末作君                    27番   峠 宏明君                    28番   矢追勇夫君                    29番   堀田征男君                    30番   和田晴夫君                    31番   高橋克己君                    32番   金野秀一君                    33番   松石聖一君                    34番   岡田佐代子君                    35番   原田栄子君                    36番   小林照代君                    37番   吉田文彦君                    38番   米澤 保君                    39番   山本 清君                    40番   大谷 督君                    41番   横井健二君                    42番   橋本和信君                    43番   船越義治君                    44番   岡本志郎君欠席議員                    なし-----------------------------------説明のため出席した者                 市長       大川靖則君                 助役       南田昭典君                 助役       吉田豊彦君                 収入役      岡本信男君                 総務部長     福井重忠君                 企画部長     辰巳 裕君                 財務部長     中和田 守君                 市民生活部長   葛原克巳君                 保健福祉部長   山中初子君                 環境清美部長   平岡 譲君                 経済部長     林 啓文君                 建設部長     松田幸俊君                 都市計画部長   山林一男君                 都市整備部長   酒井達雄君                 水道局長     福田惠一君                 業務部長     福村圭司君                 給水部長     武 正次郎君                 浄水部長     山田 要君                 消防局長     佐賀勝彦君                 教育委員長    杉江雅彦君                 教育長      冷水 毅君                 教育総務部長   山本圭造君                 社会教育部長   中尾一郎君                 監査委員     吉田 肇君                 財務部参事                 財政課長事務取扱 戸田勝康君-----------------------------------議会事務局職員出席者                 議会事務局長   森 保等                 議会事務局次長  吉村安弘                 庶務課長     岡 秀昭                 議事課長     前川純二                 調査課長     植田英夫                 調査課長補佐   南本利治                 議事課長補佐兼務                 議事係長     福井俊史                 速記       谷口藤男-----------------------------------  午前十時一分 開議 ○議長(米澤保君) 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △報告 議会運営委員会の正副委員長の互選報告について ○議長(米澤保君) 私より御報告申し上げます。 議会運営委員会の委員長に二十五番上原君、副委員長に三十一番高橋君がそれぞれ互選されましたので、御報告申し上げます。----------------------------------- △日程第一 議案第五十八号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外十六件(質疑並びに一般質問) ○議長(米澤保君) 日程に入ります。 日程第一、議案第五十八号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第六十五号までの八議案及び議案第六十七号 奈良市非常勤消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部改正についてより議案第七十五号までの九議案、以上十七議案を一括して議題といたします。 本件につきましては、既に去る十四日の本会議において市長より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 四十一番横井君。  (四十一番 横井健二君 登壇) ◆四十一番(横井健二君) おはようございます。私は、民政クラブを代表して質問をいたします。 民政クラブは、四月八日に十人の議員で新たな会派を結成いたしましたことは御承知のことと存じます。今、我が国は、少子高齢社会が進展する中で、行財政改革を初め年金改革、教育改革や保健福祉施策充実、環境問題など各分野においてさまざまな課題を抱えています。そのような状況の中で、私たちは、お互いに知恵を出し合い、市民の視点に立って、市民に開かれた議会改革に取り組むことがさらなる市民サービスの向上につながるものとの決意をし、奈良市発展のために積極的な議員活動を展開する所存でございます。大川市長を初め議員の皆さん、理事者の皆さん、よろしくお願い申し上げます。 それでは、民政クラブを代表して、通告いたしております数点につきまして、市長並びに教育長に質問をいたします。 さて、景気に明るさが増してきたと言われておりますものの、バブル経済崩壊以来、歳入の根幹である税収入が大幅に落ち込み、国・地方を合わせた借入金残高は七百兆円にも上り、大変厳しい行財政運営を強いられているのが現実であります。一方、平成十二年四月の地方分権一括法の施行により、機関委任事務を廃止するとする従来の中央集権的な制度を転換させたことにより、地方の自主性、自立性の向上は大きく前進しております。しかし、我が国は、総人口が二〇〇六年をピークに減少へと転じるとともに、少子高齢社会の一層の進展が見込まれるなど、社会構造の転換期に直面しており、こうした状況に対応して、国と地方を通じた厳しい財政事情のもとで住民ニーズに応じて自主的、自立的かつ効率的で持続可能な行財政システムを構築するためには、一層の地方分権改革の推進が必要であります。 今また、去る三月一日には政府の第二十八次地方制度調査会が開催され、小泉内閣総理大臣から道州制のあり方、大都市制度のあり方、その他最近の社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の構造改革について、地方自治の一層の推進を図る観点から調査審議を求められました。今次の調査会における検討事項は、日本の地方制度あるいは行政制度の根幹にかかわる重要な課題であると言われております。国においては、「官から民へ」「国から地方へ」の構造改革を推し進める上での国と地方自治体の税財政改革、いわゆる三位一体の改革が昨年から進められていますが、平成十六年度予算編成の過程で見られた突然の地方交付税の大幅な削減は、各地方自治体から予算が組めないとの悲鳴が上がり、まさに地方財政が危機に直面したと言っても過言ではありません。先ほど決定されました「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四」、いわゆる骨太の方針第四弾には、三兆円の税源移譲が示されましたものの、具体的内容は不透明であります。真の分権型社会の実現には、地方の自由度を高めた税財政構造に改めていかねばならず、そのためには、地方の自己決定、自己責任の原理を地方税財政の領域まで広げるとともに、国・地方を通じたさらなる行財政改革が必要となってまいります。 我が奈良市におきましても、今後ますます地方分権が進展することが予想される中で、行財政改革大綱の策定や市町村合併などの課題が山積しております。そうしたとき、大川市長は就任以来、本年九月で三期目の任期を終えられようとしています。市長は、財政状況が大変厳しい状況でありますが、住みよいまちづくりと市民サービスの向上を目指して奈良市政の推進に努めてこられました。十一年九カ月にわたる市長在任中、市制百周年という輝かしい年を迎え、その年に古都奈良の文化財を世界遺産に登録され、さらに地方分権改革の進展に合わせ、平成十四年度の中核市移行により、保健福祉事務の権限移譲を初め、より市民に密着したサービスの向上を図られました。また、市民文化の発信の拠点として、なら一〇〇年会館の建設、学園前駅南市街地再開発事業の完成、北部会館の建設、東部地域の上下水道整備等都市基盤の整備に努められるとともに、音楽療法やシルバーコーラス、地域ふれあい会館の建設等、地域に密着した施策を推進してこられました。 一方、厳しい経済情勢の中で、世界建築博覧会や近鉄西大寺駅北地区の市街地再開発事業を中止せざるを得ないという苦渋の選択もされたこともありました。さらに、行財政改革の推進に合わせて特別職の給与をみずから一〇%減額されるなど、財政の健全化に取り組んでこられました。しかし、本市は深刻な財源不足にある中、市立病院の運営、月ヶ瀬・都祁両村との合併、保健所の建設などが大きな行政課題となっています。 このような情勢にあって、思い切った行財政改革を進めていくためには、大川市長のような強力なリーダーシップと長年にわたる豊富な行政経験が必要であり、これまで以上に創意工夫を凝らして前向きに取り組んでいただかなければなりません。 そこで市長に、昨年から取り組まれている行財政改革大綱と実施計画の策定について、現在の進捗状況と今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねします。 次に、三位一体の改革に対する考えと今後の対応についてお尋ねします。骨太の方針第四弾で示されました三位一体の改革の要旨は、平成十八年度までの改革の全体像を本年秋に明らかにし、年内に決定。地方の意見に十分耳を傾ける。平成十七、十八年度に行う三兆円の補助金改革の工程表、税源移譲の内容、交付税改革の方向を一体的に盛り込む。税源移譲はおおむね三兆円規模を目指す。前提として地方自治体に補助金改革の具体案をまとめるよう要請。これを踏まえて検討となっています。 そこで、市長にお尋ねします。今回示された内容に対する市長の率直な感想と、今後、本市の財政健全化への対応とあわせ、地方の意見や補助金改革具体案の反映に市としてどのように対応されるのか、市長のお考えをお示しください。 次に、市町村合併についてお尋ねします。今日、地方分権や少子高齢社会の進展、国・地方を通じる財政の著しい悪化などを背景に、政府においては、基礎的地方公共団体である市町村の行政サービスを維持し、向上させ、また行政としての規模の拡大や効率化を図るという観点から、市町村合併後の自治体数、千を目標に、市町村合併を積極的に推進されています。本年四月一日現在、全国の市町村数は三千百で、そのうち二千三百三十五の市町村、実に全体の八割が法定や任意の合併協議会等を設置し、合併の取り組みをなされています。 奈良県においては、昨年十月までに本市域を含め七地区が合併重点支援地区に指定され、うち六地区で法定の合併協議会が設置されました。今年一月には新庄・當麻両町が合併申請を行い、十月には葛城市が誕生することが決まりました。その一方で、各地で合併の是非や枠組みをめぐり不協和音も起こっています。 本市においては、月ヶ瀬・都祁二村からの合併協議の申し入れを受け、昨年十月一日に一市二村で法定の合併協議会を構成し、合併の是非について順調に協議が進められ、新市のまちづくりの方向性を示す新市建設計画案もまとめられました。このことは、ひとえに三市村の首長を初め、合併協議会委員皆さんの御努力のたまものと敬服しています。今後の合併協議につきましては、残された期間は長くはありませんが、関係各位の鋭意な取り組みが望まれます。 そこで、市長にお尋ねします。これまでの合併協議会の経過と今後のスケジュールを含め、市長の合併に向けた決意についてお聞かせください。 次に、保健福祉行政についてお尋ねします。市長は、三期十一年九カ月の間、就任以来、一貫して「やさしさとふれあいのあるまちづくり」を行政の基本理念に、平成六年九月には「高齢者とともに歩むまち奈良」を宣言されるなど、常に市民福祉の向上を目指して市政を推進してこられました。私たちは、これまでの福祉施策への熱い思いで取り組んでこられた市長に支援をしてまいりました。市長は、本市の大変厳しい財政状況の中であっても、必要な事業については継続すべきものは継続するという強い信念のもと、「高齢者とともに歩むまち奈良」宣言の中にあります「老いも若きも幼きも、ともに手をとりあって」まちづくりを進めていく思いから、本市独自の高齢者や障がい者への優遇措置施策事業、医療費助成事業における所得制限の緩和、健康検診事業の充実、福祉施設の整備、介護予防の一環となる全国に先駆けての音楽療法の推進を図るなど、市民の立場に立ったきめ細やかな施策を講じられてこられたことに大きな評価をいたしております。 また、介護保険制度の実施においても、国に対して基盤整備のおくれによる実施時期の尚早をいち早く訴えるなど、常に一歩先を見据えた施策の対応もなされてきました。今後、少子高齢社会が進む中で、高齢者の福祉活動への参加や、子育て支援への取り組みが拡大され、自主的な活動が広まり、地域に密着した形での子育て支援に発展していくことが期待されるなど、今以上に市民と協働した行政運営が求められようとしています。 そこで、市長にお尋ねします。このような中にあって、市長として、今日までの保健福祉行政を振り返り、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのか、そのお考えをお聞かせください。 次に、文化行政についてお尋ねします。文化を取り巻く状況は、この二十年間で大きく変化しております。物質的な豊かさから精神的な豊かさを求める時代と高度経済成長期と重なり、本市におきましても、なら一〇〇年会館、音声館、写真美術館、杉岡華邨書道美術館、奈良市美術館など多くの文化施設の開館を見ることができました。各施設においては、文化活動の拠点として、それぞれの特色を生かした事業を展開され、市民の多彩な文化的要求に応じられるソフトの整備も整いつつあると感じております。特に、なら一〇〇年会館におきましては、オペラ、ミュージカル、コンサート、芸術劇場などの市民にすぐれた文化芸術に接する機会や、全国から多くの人々が奈良に集まるコンベンションの場を提供されており、会館の効率的な運用が図られています。しかし、その後の経済の低迷により、人々の価値観が物から心へと移っていく中で、文化に対する深層底流は確かに静かに力強く流れていますが、表層の流れはまるで激しい逆流となって文化を脅かしています。文化は、経済的に余裕のある人のものだ、行政も財政状況が逼迫しているから文化の予算は削るべきだという、一見もっともらしい意見も聞かれますが、そのような安易な帰結は文化を表層でしかとらまえていない考え方ではないかと思われます。過去を振り返れば、戦後の混乱期、打ちひしがれた人々の心を慰撫したのは正倉院の宝物でした。昭和二十一年十月に開かれた第一回正倉院展は、わずか二十日間の会期にかかわらず、参観者十四万人を数えました。日曜日に至っては来館者があふれ、陳列館正面から登大路通りを東へさらに左折して東大寺南大門前に至る、延々長蛇の列をなしたと言われています。あすの食料もままならない生活の中で、人々は日本古来の文化のすばらしさに触れて元気を取り戻そうとしたのでした。このように文化には、数字でははかれない大きな力があると思っております。 そこで、市長に、この文化の力をどのように考えておられるのか、また、特に文化振興の拠点となる文化施設に対するお考えについてお尋ねします。 次に、教育について市長にお尋ねします。 まず、教育施設の推進についてであります。科学技術の急速な進展、経済社会のグローバル化、情報化、少子高齢社会の到来など社会が大きく変化する中で、子供たちを取り巻く状況は、先日の長崎における痛ましい事件に見られるように、いじめ、不登校、校内暴力、いわゆる学級崩壊などの課題が山積しており、これらの解決のために関係者による継続的な取り組みが求められております。また、地方分権や規制改革の流れの中で、制度的にも地域の特性やニーズに応じたさまざまな施策の実施が可能となってきており、教育の分野においても、地域独自のさまざまな施策が展開され始めております。かねてから市長は、奈良市で子供を育てたい、奈良市で子供を育ててよかったと思えるような魅力的な教育の推進を力説されていますが、私も今日、学校教育への期待が高まる中で、奈良市においても地域の特色を生かした独自性のある教育の推進が必要であると考えております。 そこで、市長にお尋ねします。報道によれば、次代を担う子供たちの教育についてさまざまな施策を講じられているようですが、どのような展望あるいは理念を持ち進めておられるのか、また具体的な施策についてお聞かせください。あわせて、市長の教育に対する決意をお聞かせください。 最後に、生涯学習についてであります。社会情勢の変化とともに生涯学習が重要視され、市民の学習活動もますます盛んであります。本市の生涯学習施策を振り返りますと、平成十年十月に生涯学習の拠点として生涯学習センターを開館され、従来の公民館になかった陶芸などの設備も備えており、多くの市民に活用されています。また、平成十三年度には、地域に密着した公民館運営を行うため、全国に先駆けて生涯学習財団を設立されました。従来から市長は、公民館は地域の唯一の公共施設として、子供から高齢者までの幅広い世代に利用してもらいたいとの考えを示され、現在、公民館は専門的資質を有する財団職員により、多彩な公民館講座や学習相談などの地域に密着した運営を進めておられます。今、市内のどの公民館に行っても、毎日何かの講座やグループ活動が活発に行われており、利用者も年間七十万人という人数になるとお聞きしております。これは、市民の全員が年に二回利用されたことになり、大変な実績であります。 また、体育施設に関しましても、西部生涯スポーツセンターの屋内温水プールや体育館を開館するなど施設を充実されてこられました。これらは、まさに大川市政の大きな成果であり、この生涯学習の花を一層大きな花に育て上げることができるのは、大川市長をおいてほかにないと申し上げたいのです。世間では、経費削減一色でありますが、行政は単に削減すればよいといったものではありません。必要なことは思い切った予算配分をするという、めり張りのきいた行政は、大川市長でなければできないことであります。 そこで、市長にお尋ねします。これからの生涯学習に対する市長の思いをお聞かせください。 以上で私の第一問を終わります。 ○議長(米澤保君) 市長。  (市長 大川靖則君 登壇) ◎市長(大川靖則君) 四十一番横井議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、行財政改革についててございますが、行財政改革大綱策定の進捗状況と今後のその取り組みについて御質問をいただきました。昨年度に基本方針を掲げるとともに、実施計画の作成もあわせて進めてまいりました。本年五月末には、行財政改革推進本部会議を開催し、二月に市民の皆さんからいただきました御意見等も参考に、最終的なまとめを行ったところでもございます。今回の行財政改革大綱におきましては、主な数値目標といたしまして、財政に関する指数の一定の向上を目指して検討しているところでもございます。あわせて、実施計画は百項目を数えるところにもなっております。また、一昨日の十五日には行財政専門委員会議を開催し、委員の皆様方からこの行財政改革大綱や実施計画に貴重な御意見をたくさんいただいているところでございます。この御意見などを踏まえまして、行財政改革大綱を発効させてまいりたいと考えているところでございます。 また、行財政改革は、十年間の大計と考えており、短期、中期、長期に分け、全庁挙げて推進も図っていかなければならない。そして、達成度の検証も行い、的確に進めてまいる考え方でございます。 次に、三位一体の改革に対する私の考えと今後の対応の御質問でございます。御質問の中にもございましたように、骨太の方針二〇〇四では、平成十七年、十八年度に行う三兆円程度の国庫補助負担金の削減と同時に、おおむね三兆円規模の税源移譲を目指すところになっております。そして今回、この基本方針の具体案を作成するに当たっては、国より全国知事会、全国市長会等の地方六団体に対し、八月二十日までに地方として統一した国庫補助金の削減案を取りまとめるようにと要請をされているところでございます。しかしながら、本年度実施されました改革の内容を見てみましても、一兆円の補助金削減に対しまして、移譲された税源はわずか実質四千五百億円に過ぎず、満額からはかけ離れたものとなっているのが現状でございます。交付税の減額や補助金の削減によって地方負担が大きくなり、このままでは満足な市民サービスにこたえることが難しくなっているということでもございます。いわば国の財政再建の負担を地方に押しつけられた形となっているのでございます。招集あいさつの中でも申し上げましたように、今後の地方財政に、本市の財政健全化にとってもかなり厳しいものが強いられているものと存じております。このような状況に対して、先日も全国の市長会より真の三位一体改革の実現に関する緊急決議案を提出されたところでございますが、三位一体の原点に立ち、税源移譲が確実に実現される改革となるよう、今後とも市長会や中核市の連絡協議会、そして地元選出の国会議員さん等々にも強く働きかけてまいりたいと存じております。 きょうの新聞にも出てございますように、本当に国が三位一体論を打ち出して、そして、そのしわ寄せが地方自治体に大きく押し寄せているという記事も出ているようなことで、大変この三位一体についても透明なところに至っていないのが現状でございます。 次に、合併に向けた決意ということでございますが、奈良市は、御承知のように明治三十一年二月一日の市制施行以来、三町十三村と六度の合併を重ね、中核市として大きく発展をしてまいったところでございます。月ヶ瀬村、都祁村との合併もその歴史に沿うものであり、長期的に見れば、新しい奈良の発展につながるものと確信をいたしているところでございます。三市村におきましては、合併特例法に基づき、昨年十月、合併協議会を設置いたしました。議会におきましても、合併問題検討特別委員会を設置していただき、これまで各種事務事業のすり合わせや新市建設計画の作成に向け、協議会を九回、小委員会を四回開催するなど、協議会の委員各位初め関係者の御尽力により合併協議を順調に進めさせていただいているところでございます。また、この合併協議の内容につきましては、市民だよりを初めホームページ、合併協議会だよりなどを通じて、逐次市民の皆さんにお知らせする一方、合併協議会だよりの中に御意見募集はがきを掲載するなど、市民の意見把握にも努めてきたところでございます。 今後、七月と八月に、あと二回協議会を開催させていただく予定でありますが、順調に進みますと、八月中旬には合併協議の集大成として、合併協定調印式を行わさせていただくことになるものと考えております。その後、九月には三市村の議会の議決をいただき、十月には県知事に申請を行い、当初の予定どおり、合併特例法の期限内での合併を目指しているところでございます。合併後の新市のまちづくりにつきましては、新市建設計画に基づき、奈良市の総合計画を基本に、速やかな一体性を確保するとともに、三市村の持つ自然、歴史、文化、産業、交通などのすぐれた資源を有効活用し、相互補完による総合力を発揮することによって、市民が将来に希望の持っていただける魅力あるまちづくりを展開してまいりたいと考えているところでございます。 次に、市長として今日までの保健福祉行政を振り返り、今後どのような取り組みを進めていくのか、その考え方についてでございますが、私は、市長就任させていただき、一貫して「やさしさとふれあいのあるまちづくり」を、そして「人にやさしく」「事にやさしく」「物にやさしく」の三本柱をもって市政の推進を図らさせていただいてまいりました。この間、高齢者の方々には長年社会のためにお尽くしくださった皆さん方に心から感謝をし、そしてまた高齢者の持っておられる長年の経験と知識、これをいただきながら、子供たちが「高齢者とともに歩むまち奈良」という宣言もいたしております。その機関車となっていただくような願いも込めているところでもございます。また、児童の健全育成につきましては、福祉の立場から考えた児童の健全育成も、今日まで保育所等々についての施策の展開をさせていただいてまいりましたが、さらにこれを推し進めてまいりたいと思っておりますし、また障がい者問題は、障がい者だけの問題じゃなく、社会全般の問題として市民の皆さん方に御協力をいただいてきたというようなことでもございます。そうした中で、これからはみんなが支え合う福祉のまちづくりをつくっていかなけりゃいけないというようなことでもございますが、平成十二年に介護保険を導入されて以来、介護保険制度の施策につきましてはさまざまな問題等々はございますけれども、まだ施設入所等に多くの方々が待っておられます。そうした施設の建設等につきましても、民間にお願いするというようなことにもなりかねないと思うんでございますけれども、なかなか国の方針として、その認可関係について速やかにいかないのが現状の姿でもございます。しかし、高齢者にはそうした家族との介護の関係の複雑な問題もございます。したがって、そうした福祉施設の民間の方々の建設についても国の方に速やかにできるように、今後も働きかけてまいりたいなと、そんなふうに思っている次第でもございますし、また少子化時代に対する子供たちの健全育成には、保育所の建設あるいは子育て支援センター、サポートセンター等々の充実も図ってまいらなければならない。あるいはまた障がい福祉関係につきましては、学校を卒業しても働く場所がない、その場所を提供するような、そういう施策も考えていかなければならない、そんなふうに考えているところでもございます。いずれにいたしましても、今回、三位一体の構造改革が打ち出され、福祉面におきましても大変難しい問題が出てまいっているのでございまして、例えば公立保育園の運営費一つにいたしましても、今まで補助金事業でございましたものが、一般財源化の交付税対象になってきたというようなことで、非常にそうした財源的な難しさも出てくることになっているのでございます。したがって、そうしたことを十分に見きわめながら、福祉の後退をすることのないような施策の推進も図ってまいらなければならないというふうに思っているところでございます。 次に、文化行政についてでございますが、奈良は御承知のように千三百年の歴史を有し、多くの世界遺産を持って国宝文化財に恵まれ、そして薫りの高い文化のまちでもございます。この大きな財産を持っている奈良のまちに文化行政が大いに発展をさせていかなければならないのが私たちの大きな大きな使命でもございます。そのために、さまざまな文化施設の建設を行い、市民の多くの方々がその文化施設に集い、そして文化の発信をしていただいているのでございますけれども、例えばなら一〇〇年会館、先ほどお触れいただきましたけれども、この一〇〇年会館の一例を見てみましても、先日、新聞で公表されておりましたように、全国で数多くある中で、一〇〇年会館の実績は二年連続全国三位に占められている好評的な文化施設でもございます。また、そのほか書道美術館等々につきましても、市民の皆さん方が文化の向上のために御協力をいただき、その施設を利用することによって、文化の発信をそこからできていくというようなことでもございます。まさに文化の拠点、文化の奈良でございます。したがって、今後は、小さな子供たちから、あるいはまたお年寄りに至る皆様方が文化施設を大いに利用していただき、文化の発展に努めてまいりたいなと、そんなふうに思っているところでもございますし、奈良にはたくさんの材料がございます。この多くの材料を有効に、奈良の人だけじゃなく、世界の人たちにも活用していただけたら大変ありがたいことだなと、そんなふうに思っております。したがって、文化の施設は、これからの中心的な日本の国の発展の役割を果たしていくものであると確信をいたしているところでございます。 次に、教育への展望、具体的な施策並びに教育に対する決意でございますが、奈良市は世界遺産を初め多くの文化財や伝統行事、そして春日奥山など豊かな自然を有しております。これら先人から受け継いだ歴史、文化、自然を守り育て、次の世代へとつないで、郷土である奈良を知り、奈良を愛し、奈良を誇れる子供たちを育てることが大切であると思っております。具体的な施策といたしましては、平成六年度より行っております学校園活性化対策推進事業においては、子供たちに豊かな心や生き方、生きる力をはぐくむなど、校園長のリーダーシップのもと、特色ある学校づくりを推進しているところでもございます。平成十四年十二月には奈良市教育憲章を制定するとともに、十二月二日を「なら教育の日」と定め、学校、家庭、地域が一体となり、「教育のまち-奈良」の推進を図っております。本年三月二十四日には小中一貫教育特区の認定を受け、郷土「なら」科、英会話科、情報科など独自の教科を新設するなど、国際文化観光都市である奈良市の担い手となる人材の育成をしてまいりたいと考えております。本年度からは、新たに市立幼稚園、小学校、中学校において、大学生が情報教育や部活動の指導補助など、さまざまな教育活動を支援する取り組みとして学校教育活動支援事業を実施するとともに、読書活動推進事業として読書好きの子供を育てる取り組みを設け、従来からの事業とあわせて、人・事・物の活性化を図ってまいりたいと存じております。あすの奈良市は、教育の力によってこそ、その土台が築かれるものと考えております。今後も積極的に教育改革を推進し、学校・家庭・地域社会が一体となり、子供たちにとって魅力のある教育環境を創造してまいりたいと存じているところでございます。 また、先ほども申し上げましたように、私たちの奈良は、歴史的なまち、文化の薫りの高いまちでございます。奈良の子供だけじゃなく、国内の子供たちが従来のように奈良を知り、奈良を知ることによって日本の歴史を知ること、これを私は大切にしていただくために、毎晩のように、今、修学旅行に子供たちが奈良を訪れてくれております。したがって、その旅館、ホテルに参りまして、子供たちに奈良の大切さ、日本の国を知るには奈良に来なければと、そういう説明をさせていただいているところでもございます。今晩も三校の子供たちにそうしたあいさつにも行かせていただこうという取り組みもさせていただき、日本の子供たちが自分の国に誇りを持ってくれるような、そういう子供たちの健全育成も私はやっていかなければならない、そのように思っている次第でもございます。 以上です。 ○議長(米澤保君) 四十一番横井君。 ◆四十一番(横井健二君) 二問目は自席から行わせていただきます。 ただいま市長から私のそれぞれの質問に御答弁をいただきました。若干の二問目の質問をいたします。 まず、行財政改革大綱の策定についてであります。財政に関する指数の一定の向上を目指す検討をしているということでありますが、目標とされる市長の思いの数値はいかほどか、この点について市長から御答弁いただきたいと思います。 次に、教育について教育長に質問いたします。先ほど市長から御答弁をいただきました学校園活性化対策推進事業は、特色ある学校・園づくりを推進するため、平成六年度から十年間続いている市独自の事業で、全国的にすばらしい施策だと高い評価を受けているとお聞きいたします。これは、大川市長の教育に対する強い思い、また独創性のある考えが生んだものと思われますが、学校現場の経験をお持ちの教育長に、十年間にわたる学校現場におけるこの事業に対する忌憚のない御所見をお聞かせいただきたいと思います。 また、学校教育活動支援事業については、大学生を幼稚園、小・中学校に派遣し、子供たちと一緒になって学習やクラブ活動を行い、子供たちが生き生きと学校生活が送れるようにするという新しい施策でありますが、先日の新聞報道では、学生を派遣していただく市内四大学と協定を結ばれたとのことです。 そこで、教育長に、今後この事業に対する思いについてお尋ねいたします。 以上、二点について教育長から御答弁を願います。 ○議長(米澤保君) 市長。 ◎市長(大川靖則君) 財政に関する指数について、目標とされる市長の思いの数値はいかほどかということでございます。 まず経常収支比率におきましては、本年度予算ベースの九五・九%を、最終年度の平成二十五年度には、中核市の平均値であります八五%に、公債費比率につきましては、本年度一八%を最終一三%に、また財政力指数は、交付税に関する指数であり、現状の〇・八を維持する方向で、それぞれ努力をしてまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(米澤保君) 教育長。 ◎教育長(冷水毅君) お答えをいたします。 まず、学校園活性化対策推進事業についてでございますが、全国の他市町村に先駆けて十年間続いているものでございます。この予算を活用し、日ごろ見ることのできない能や狂言などの伝統文化を身近に見たときの感動や、オーケストラの演奏や移動動物園など本物に触れる体験、野外活動で味わった経験が、豊かな心や生きる力をはぐくみ、その後の子供たちの生き方にも大きな影響を与えるなど多くの成果を上げております。本事業は、校園長の裁量により、リーダーシップを発揮して、特色ある学校・園づくりのため、さまざまな活動ができるものでございます。これからの学校・園に求められる自主性、自立性を先取りしたものであり、全国教育長会においても胸を張って答えることができる、全国に誇れるものでございます。今後もこの事業を通して、それぞれの学校・園がさらに創意工夫をして、子供や保護者にとって魅力があり、活力ある学校・園づくりを目指してまいりたいと考えております。 次に、学校教育活動支援事業についてでございますが、六月十一日、奈良教育大学を初めとする市内四大学と事業についての協定を締結いたしました。この事業は、奈良市の発展は人づくり、まちづくりは人づくりという考えのもと、本年度から始まったもので、学校・園に派遣する学生は、子供たちにとってお兄さん、お姉さん的な存在、身近な存在として教科や部活などの指導補助に当たるもので、人的な活性化になり、大変メリットのある事業であり、ぜひ成功をさせたい、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 四十一番横井君。 ◆四十一番(横井健二君) 御答弁それぞれありがとうございました。 それでは、三問目は要望とさせていただきたいと存じます。 まず、行財政改革についてであります。行財政改革大綱の策定は、今、実施計画も含め、最終的なまとめが行われているようでありますが、本年一月に示されました行財政改革大綱基本方針案には、改革の緊急の課題として、教育の充実、財政の健全化、意識改革の三点を挙げておられます。この三点は、行財政改革を進めていく上で、また将来の奈良市発展にとって重要なポイントになるのではないかと存じます。先ほども教育について質問させていただきましたが、大川市長の教育に対する思いに私も大いに共感するところでございます。リーダーが不足していると言われる昨今でありますが、私は、あすの奈良、いや、あすの日本を背負って立つ人材の育成は教育が原点であり、まさに緊急の課題であると思っています。今、現実に起きている子供たちを取り巻く問題も、教育の充実で解決できるものとの信念のもと、「教育のまち-奈良」を目指して取り組んでいただきますよう期待するものであります。 また、財政の健全化については、歳入の確保が大変厳しい中で、いかに効率的な行財政運営を図るかが課題であることは言うまでもありません。三位一体改革の影響もありますが、限られた財源を職員の知恵を出し合い、効率的に使っていただき、速やかに健全化が図られるよう御努力をお願いします。 また、職員の意識改革については、常に心がけるべきことであり、職員みずからが改革を実践する気構えを持たなければ、行財政改革などできるものではありません。職員は危機感を共有し、行財政改革に全力で取り組んでいただきますよう要望します。 先ほど市長の数値目標の思いも示されました。まだまだ社会経済情勢は厳しいものでありますが、目標に向け精いっぱい頑張っていただきますようお願い申し上げます。 次に、三位一体の改革についてであります。平成十六年度では、補助金一兆円、地方交付税一兆二千億円の削減に対し、税源移譲は実質わずか四千五百億円で、地方はその穴埋めに四苦八苦しました。骨太の方針第四弾では、平成十七、十八年度で三兆円の補助金の削減に対し、同額の税源移譲が示されましたが、税源移譲を行う年度の明示がないなど、あいまいな形になっています。また、補助金削減の具体案をみずからが示すことが前提となっていることや、税収が減少する状況下での地方交付税の見直しなど、地方にとっては不安要素ばかりであります。このため、全国市議会議長会においても、地方交付税の財源保障機能及び財源調整機能の堅持、地方への税源移譲の先行決定や国庫補助金廃止・縮減に伴う地方への負担転嫁を行わないことなどを要望しております。市長におかれましても、地方の自主的な財源の確保について、あらゆる機会を通じて、国に対し積極的に働きかけていただきますようお願い申し上げます。 次に、市町村合併についてであります。奈良市、月ヶ瀬村、都祁村の一市二村の合併協議会もあと二回の開催のみとなったとのことでありますが、順調に進んでおるようでございます。いよいよ合併が実現するのかとの感をいたしますが、奈良市民の関心はいま一つのように思われます。月ヶ瀬、都祁二村につきましても、合併協議会での調整項目にありますように、ほとんどが奈良市の制度に統一され、サービスの向上につながるものと考えます。今後は、より市民サービスの向上を目指し、一市二村の住民がお互いに合併してよかったと実感できるまちづくりを進めていく必要があろうかと考えます。そのために、合併後のまちづくりが非常に重要であり、計画されました新市建設計画の実現が不可欠です。合併後は十年間の計画期間にすべてが着実に実現できるよう体制を整え、精力的に事業の推進を図るための準備に万全を期していただきたいと思います。 次に、保健福祉行政についてであります。急速な少子高齢社会を迎える社会情勢にあって、子育てや介護の課題は今後ますますふえるものと予想されます。特に、少子化対策は喫緊の課題であります。十月に厚生労働省から発表されました平成十五年の合計特殊出生率は一・二九で、戦後最低となり、このまま推移すれば、社会保障制度の設計や将来の経済活動に大きな影響を及ぼす可能性が強いと言われ、今回改正されました年金の現役世代に対する給付水準五〇%の維持も難しいとのことです。国は、平成六年から本格的な少子化対策に着手し、育児休業制度の整備や子供の看護休暇制度の普及促進、保育所の充実など進めてきましたが、十分な効果は上がっていないように思われます。このため、国は出生率を五年で上昇に転じることを目指す少子化社会対策大綱をまとめたと、先日、新聞報道がなされました。地方自治体の子供の関係の窓口・情報の一元化も盛り込まれていましたが、本市におきましても保育所の充実など、少子化の解消に向けた取り組みに鋭意御努力をいただきますようお願いいたします。 先ほど来の介護保険制度の問答の中で思い出されることとして、私が五年前のことでございましたが、都道府県庁所在都市議長会に出席いたしましたときに、開催地の九州のある市長さんと同席する機会を得ました。私が、奈良市議会議長の名札をつけておりましたので、その市長さんから、奈良市の市長さんは一体どんな経歴を持った方ですかと尋ねられたことがありました。私なりに、三十年近い大川市長さんの経歴を披露いたしましたところ、その市長さんは、先日の全国市長会で総理大臣を初め内閣閣僚が居並ぶ中で、私の直前に座っておられた奈良の大川市長さんが、満場の中で手を挙げ、介護保険の導入を三年間引き延ばされたいとの提言をされました。これには大変驚きましたが、今、あなたに経歴を聞いて初めて理解ができました。さすが福祉のプロの市長さんの発言であり、私のように県議二期を務め、市長をさせてもらっている者では到底できないことですと述懐されたことを今思い返しておる次第でございます。大川市長の長年に携われた行政経験は、奈良市政は言うに及ばず、今後も日本の福祉行政にも、時には叱咤、提言を願うものであります。 最後になりますが、先ほどからの御答弁で、三期目の総仕上げということで大川市長の胸のうちをお聞かせいただきました。この秋の市長選挙の日程も決まったところでございます。既に立候補を表明されています大川市長におかれましては、健康に留意され、選挙戦には全力を傾注して見事四選を勝ち抜き、引き続き奈良市政を担われることを御期待申し上げ、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(米澤保君) 八番山中君。  (八番 山中益敏君 登壇) ◆八番(山中益敏君) おはようございます。私は、公明党奈良市議会議員団を代表いたしまして、通告いたしております数点について、市長並びに教育長にお尋ねいたします。 周知のとおり、昨日の六月十六日に第百五十九回通常国会が閉幕されました。今国会では、年金制度改革関連法、司法制度改革関連法など、我が国の構造改革を進める法律が成立し、さらに「官から民へ」の改革では、郵政事業民営化が進められ、道路公団民営化法が成立しました。有事法制の枠組みも今国会で整い、改正児童手当法が国会終盤に可決、成立する運びとなりました。一国会でこれほど改革が進められたのは、生活者の目線から政策実現に向け取り組み、四年半、連立政権下で安定した政治が執行されたからと考えるものであります。 一方、本市に目を移しますと、政府は三位一体改革のもと、平成十六年度は補助金一兆円の削減、税源移譲は満額に至っていない現状で、平成十七年、十八年度に向けて、より厳しい財政運営を余儀なくされようとしております。周知のとおり、この厳しい状況を踏まえ、本市における行政事務の効率化と財政の健全化へ向けた積極的な取り組みや一市二村の合併特例法内での合併への取り組みなど山積する課題に向け、大川市長の豊富な行政経験を生かし、輝かしい実績と力強いリーダーシップにより、三期目最終盤の大切なかじ取りに期待をいたします。 それでは初めに、市長の行政姿勢について、五点お尋ねいたします。 第一点目に、文化芸術振興についてお尋ねいたします。奈良市の芸術文化活動の振興の基本方針として第三次総合計画の中に、「世界遺産をもつ歴史的、文化的風土に恵まれた国際文化観光都市である。」「地方の時代にふさわしい奈良市独自の市民参加の文化振興を図る。」「市民のだれもが等しく、文化を創造し享受できる条件整備と支援体制づくりに努める。」とうたわれております。私たち日本人は、物の豊かさを目指し努力をしてきました。そして、世界でもトップクラスの豊かさを実現することに成功しました。しかし、本当の豊かさは、物の豊かさだけでなく、心の豊かさも大切にする時代を迎えました。未来学者のアルビン・トフラーは、著書「文化の消費者」の中で、心の豊かさの実現とは、日常生活に文化芸術が入り込み、重要な位置を占めることを指摘しています。言うなれば、文化芸術政策の民主化、大衆化への移行であり、行政でいえば、文化行政から行政の文化化への移行と考えられます。 こうした中、公明党は、文化芸術立国を目指し、今日まで文化芸術振興基本法の策定を初め、文化庁の予算の増額、子供たちが文化芸術と触れ合う施策の拡充など多彩な実績をつくり、文化芸術振興をリードしてまいりました。去る五月二十二日に文化芸術振興を考える会の主催で、公明党奈良県文化芸術振興会議も共催し、奈良文化芸術フォーラムを開催しました。奈良県下における文化芸術に関する意見交換が活発に行われ、県下の文化芸術への振興策の拡充を図ったところであります。 そこで、文化芸術振興条例策定に向けた取り組みについてお尋ねいたします。市長は、文化芸術振興基本法が策定された定例会の我が党の質問に対して、本方針並びに関係法の整備等を見きわめながら、本市の文化発展・向上のために諸施策の推進に努めると答弁されております。国際文化観光都市を標榜する奈良市の条例化については、他の都市とは比較にならないほど重要な意味を持つものであり、奈良が持つ文化力、芸術力を引き出し、はぐくむ大きなチャンスでもあります。その意味では、専門家や市民、そして行政が一体となって合意形成を図りながら、市民参加の条例制定を目指すべきと考えるものであります。条例の制定に向けた市長の取り組みについてお尋ねいたします。 第二問目は、第三次総合計画についてお尋ねいたします。以前に我が党の議員からも質問をさせていただいておりますが、二〇〇一年より「世界遺産に学び、ともに歩むまち-なら」と将来を標榜し、策定された第三次総合計画ですが、内容は基本構想と基本計画によって構成され、奈良市の将来像の実現に向け、取り組むべく施策の内容を明らかにしたものと認識しております。本年二〇〇四年は、時期的に前期基本計画を一年残し、後期基本計画を策定する検討時期ではないかと考えます。また、奈良市、月ヶ瀬村、都祁村との合併に伴う新市建設計画も協議をされております。その中で新事業の計画も盛り込まれております。行政事業にあっては、企画、実施、評価のマネジメントサイクルが連動し運用されてこそ、将来を展望した現実味のある奈良市が見えてくるように思います。 そこで、前期基本計画の評価を考慮し、後期基本計画の策定に向けた市長の取り組みについてお尋ねします。 第三問目は、行財政改革についてお尋ねいたします。従来より我が党が行政評価システムの導入について提案をしてまいりました。現在、政策調整室にて行財政改革の一手法として導入されたことを伺っております。全国的な傾向として、財政事情が悪化している自治体にとっては、限られた予算を有効に活用し、行政改革を積極的に推進する上でも行政評価は必要であり、財政改革だけでなく、自治体の業務改革とも連動した行政改革全体に大きな効果が得られると期待をしております。 そこで、一点目は、昨年、今年と二年間進めてこられた行政評価システム導入の進捗状況について。 二点目は、現在取り組まれております事務事業評価の、事後評価から事前評価への今後の取り組みについてお尋ねいたします。 四点目は、公共事業の入札制度についてお尋ねします。公共事業の入札及び契約の適正化の促進に関する法律並びに入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律などが次々と法制化されたところでありますが、それらを受けて、奈良市においても平成十四年十一月から入札制度を改正されました。全国に先駆けて従来の指名競争入札から制限つき一般競争入札を導入することにより、入札本来の競争性、透明性、公平性の確保につながる改正であり、予定価格の事前公表も不正行為の防止につながる制度改革として大きな効果が得られると期待をさせていただきます。この改正から一年半が経過し、さらなる入札制度の見直しに向け取り組んでおられることと思います。その一手法に最低制限価格の項目が考えられます。本市では、現在、予定価格の三分の二に当たる六七%で設定をされています。 一点目は、この最低制限価格についてどのような御所見を持っておられるのか、お尋ねいたします。 二点目は、最低制限価格を今後どのように運用されようとしているのか、お尋ねします。 また、最近の新聞報道によりますと、今年から上位A、Bランクの業者に発注される工事について郵便入札を実施するとのことであります。これは、先般の入札制度をなお一歩前進させたものと理解をしておりますが、電子入札に向けた一層の取り組みとも見受けられます。 そこで、三点目は、この郵便入札制度を、今後すべての工事に適用されるのか、お尋ねいたします。 第五点目は、情報ネットワーク社会における情報セキュリティー対策及び今後の電子自治体に向けた取り組みについてお尋ねします。 これまでの情報システムの中で意識され守られてきた情報の単位は、個人情報を中心とした個別のデータや、その集合体であるファイル、さらには、それを記録、収容する磁気テープなどの物理媒体やコンピューターシステムのハードウエアといった、いわば点として存在するものでありました。しかし、今日では個々の情報システムごとの個別要素だけではなく、住民基本台帳ネットワーク、総合行政ネットワーク、そしてインターネットや庁内LANあるいは地域イントラネットなどネットワークを介してハッキングによるシステムへの侵入や情報の盗難、データの改ざんといった危険性や電子メールなどによるコンピューターウイルスへの感染、さらに情報データの外部への漏えいなどから情報資産を守り、機密性、完全性、可用性を維持、確保することが情報社会における大きな課題であります。 本市においても住民基本台帳ネットワークシステムの運用に伴い、個人情報保護条例が平成十四年四月に制定され、個人情報が目的外に利用されないように対策が進められたとお聞きしております。また、住基ネットを含めた電子自治体の構築のためには、情報セキュリティー対策の徹底が不可欠であると考えます。 そこで、一点目は、情報セキュリティーポリシーを含め、ネットワーク社会における本市の情報セキュリティー対策への取り組みについてお尋ねいたします。 次に、地方分権一括法案や住民基本台帳法改正など、二十一世紀に向けて自治体の行政サービスの質が大きく変わろうとしております。一方、我が国におけるインターネット世帯普及率は著しく伸長しており、インターネットが住民サービスに有効な手段となりつつある現在、新しい行政サービスに取り組む電子自治体として大きな効果を上げる情報基盤に統合型地理情報システム(GIS)が考えられます。現在、総務省では、GISにより豊かな国民生活を実現するための行動計画としてGISアクションプログラムを示し、地方自治体への導入を推進しています。本市でも、以前に導入に向け検討された経緯があるとお聞きをしております。既に豊中市、羽曳野市など幾つかの市町村が質の高い行政サービス、業務の効率化、新たな地図利用など、この統合型GISを構築し、大きな成果を上げています。地理情報システム(GIS)は、電子地図上で地域に関するさまざまな情報を処理しようとするものであり、地域に密着した行政事務に関する地方自治体にとって非常に有益なツールと考えます。 そこで、二点目は、地方行政における統合型地理情報システム(GIS)の位置づけについて市長の御見解と、本市の今後の取り組みについてお尋ねいたします。 次に、東南海・南海地震について数点お尋ねします。今後三十年以内に起こる可能性が高いと言われる東南海・南海地震に対応した地震防災対策推進計画を策定されました。さきの阪神・淡路大震災におきましても、家屋倒壊などにより閉じ込められた人たちのうち、九五%は自力あるいは家族や隣人によって救出され、専門家の救助隊に助けられたのは、わずか一・七%の方たちと聞いております。災害が起きたとき被害を少なくするには、地域住民が連携して被災住民の救出、救護、初期消火などの活動が円滑に行われることが重要であり、地域コミュニティーを大切にした自主防災組織の積極的な取り組みが大切であると考えております。しかしながら、現在、奈良市で組織されているのは、自治連合会単位の四十四地区のうち七地区と聞いております。 一点目は、今後、自主防災組織の組織率向上に向けた取り組みについてお尋ねいたします。 二点目は、奈良市地域防災計画では、避難所、一次避難地、広域避難地の指定及び避難経路の啓蒙について、さらには、観光都市・奈良市にふさわしい、観光客も含んだ避難者数を考慮した被害想定の検討がなされているのか、お尋ねいたします。 三点目には、地震を受けた後の対策だけではなく、被害ができるだけ少なく抑えられるような対策も必要と考えます。そこで、どのような取り組みを考えておられるのか、お尋ねいたします。 次に、国立奈良病院の経営移譲についてお尋ねいたします。奈良市は、国立奈良病院の経営移譲を受け、中核的医療機関としての新たな病院を本年十二月に開設する運びとなり、着々と準備をされている関係者の皆さんに敬意をあらわすものであります。この病院の基本構想によれば、国立奈良病院が担ってきた医療水準を確保し、高度医療に対応する医療機器の導入による診療機能の充実を図り、市民に信頼される病院として、市民が安心して暮らせる医療体制づくりを進める方針が示されています。 まず一点目は、基本構想に盛り込まれた病院の建てかえ計画についてお尋ねします。 二点目は、奈良市と近隣地域における公的病院として、患者本位の視線に立ち、患者のニーズを踏まえ、質の高い医療を安全かつ効率的に提供していくことが必要と考えられます。同時に、医療ミス防止に向けたチェック体制の整備も必要な課題と認識しますが、医療事故防止に向けどのようにお考えか、お尋ねいたします。 三点目は、基本構想に示されている医師四十一名の確保についてどのように取り組まれているのか、お尋ねします。 四点目は、我が党が以前より要望をしてまいりました小児救急医療の二十四時間体制に向けた取り組みについてお尋ねします。 五点目は、新病院において、万一赤字が発生した場合、本市として赤字補てんの対応をどのようにされるのか、お尋ねいたします。 次に、福祉行政について市長にお尋ねいたします。先般、二〇〇三年の合計特殊出生率が全国平均で過去最低の一・二九であり、奈良県ではワースト三の一・一八との報道がありました。奈良市の状況は、この奈良県をも下回っていると聞いております。この少子化の現象がこのまま進みますと、今世紀末には日本の人口は半減すると見込まれています。そのことは、単に人口が減少するだけでなく、急速な少子化の進行は、人口構造をゆがめ、現行の社会保障制度が成立しなくなるなど、日本の国の経済面や社会面にも大きな悪影響を与えることになります。この少子化対策は、奈良市にとっても深刻なものであり、対策が急務であると思われます。奈良市でも次世代育成支援対策の意義を十分意識していただき、全庁的な取り組みとして、昨年策定委員会を設置され、少子化対策のための行動計画を策定中とのことですが、市長のストップ少子化に対する決意のほどをお尋ねいたします。 次に、乳幼児医療費助成制度についてお尋ねいたします。乳幼児医療費助成制度は、都道府県の補助事業であり、助成内容は府県によって異なり、同じ府県内でも市町村が独自に助成内容を拡充しているため、市町村間でも異なっているのが現状のようです。奈良県においても、市町村間で助成内容に大きな開きがあるように聞いております。私ども公明党として、機会あるごとに県にも働きかけてまいりました。この助成制度につきまして、平成二年九月の定例会より実施へ向けた質問をし、要望書などで制度の拡充に取り組んでまいりました。奈良市では、以前より県の制度を上回り助成されていますが、少子化が進行する中、子育て家庭の負担を少なくし、産み育てやすい環境を整備することが必要であると考えます。 そこで、現在、乳幼児医療費助成制度を拡充する考えについて、市長の御見解をお聞かせください。 次に、環境清美行政についてお聞きいたします。二十一世紀の新たな時代にふさわしい環境社会の実現に向け、我が公明党が中心となり推進してきた循環型社会形成推進基本法が平成十二年六月に制定され、それと一体的に廃棄物処理法の改正や資源有効利用促進法の改正、家電リサイクル法などが次々に成立し、自動車リサイクル法も来年一月までに施行の運びとなると承知しております。 奈良市においても、平成十一年三月に策定されました循環型地域社会構築のための奈良市一般廃棄物処理基本計画を見直し、平成十四年度から二十三年度までの今後十年間の基準として、奈良市一般廃棄物処理基本計画が平成十四年三月に策定されました。この基本計画の中で減量目標値について、焼却対象量を平成二十三年度に、平成十二年レベルから一〇%削減することになっています。 そこで、市長にお尋ねいたします。まず一点目として、平成十五年度の焼却対象量と減量目標値の達成率についてお尋ねいたします。 二点目に、事業系ごみの減量対策として、現在、定期的に展開検査を実施しているとお聞きをしているところでありますが、十五年度の実施状況と、搬入量が計画策定前の十二年度と比べどの程度減量になったのか、お尋ねいたします。 三点目に、衛生浄化センターの汚泥再生処理施設が平成十五年三月末に完成し、その施設に汚泥堆肥化設備が付設され、汚泥と給食の生ごみから堆肥がつくられ、試験的に本年五月三十日のごみゼロの日ならリサイクルフェスタで肥料名「畑楽」として希望者に配られたと伺っております。今後、この施設が本格稼働すると、毎日どれほどの堆肥ができ、どのように配布をされるのか、お尋ねいたします。 次に、観光行政についてお尋ねいたします。国では、二〇一〇年に向け、現在の訪日外国人旅行者の五百二十四万人を二倍の約一千万人に誘致する目標を立て、平成十四年十二月、グローバル観光戦略を策定しました。外国人旅行者訪日促進戦略の一つとして、ビジット・ジャパン・キャンペーンを現在実施しています。 市長は、六月定例会の招集あいさつの中で、木の文化を共通のテーマに、木造の世界遺産を持つ姫路市と奈良市、斑鳩町、本年登録を目指す吉野町で、日本文化のエッセンス、木の文化の魅力を世界にアピールし、国内外から訪問客の誘致拡大を図ると表明されました。 そこで、ビジット・ジャパン・キャンペーンに向けた第一段階の現在の評価、さらに数年後の中期的な展望、二〇一〇年への将来展望について市長の御所見をお尋ねいたします。 次に、本市のまちづくり行政についてお尋ねいたします。 第一問目は、京阪奈新線と周辺のまちづくりについてお聞きします。奈良市の西北部地域では、近鉄奈良線の混雑を緩和するとともに、近鉄学園前駅周辺の交通渋滞の解消を図り、大阪都心部へのアクセスの大幅な改善を目指す京阪奈新線事業が、平成十七年度中での開業に向けて事業が展開されております。また、新事業により設置される仮称登美ヶ丘駅については、駅前広場及び駅へのアクセス道路となります都市計画道路大淵鹿ノ畑線の整備事業が奈良市と生駒市により進められております。また、新駅の周辺地域では、民間企業による土地区画整理事業も展開されており、関西文化学術研究都市と連携したまちづくりが進められようとしております。この総合的なまちづくりは、地域はもとより奈良市の発展にとって重要な役割を果たすものであると認識をしており、期待をしながらその動向を見守っております。先日も現場近くを通ると、昔の面影は消え、大きくさま変わりをしているのを目の当たりにし、新しいまちづくりが着々と進んでいることを実感いたしました。 そこで、新駅周辺の事業等について数点お尋ねいたします。まず一点目は、京阪奈新線事業の進捗状況についてお尋ねいたします。 二点目は、仮称登美ヶ丘駅の設置に合わせて必要となります駅前広場と駅へのアクセス道路となる大淵鹿ノ畑線の進捗状況と今後のスケジュールについてお尋ねいたします。 三点目は、新駅舎及び新駅周辺のまちづくりに土地利用計画を含め、関西文化学術研究都市と連携したまちづくりをどのように進められようとしているのか、お尋ねいたします。 第二問目は、あやめ池遊園地の跡地利用についてお尋ねいたします。大正十五年の開業以来七十八年間、奈良市民はもとより県内外の人々に憩いの場として親しまれてきたあやめ池遊園地が、長い歴史にピリオドを打ち、この六月六日に閉園を迎えました。閉園している遊園地の様子や新聞報道を見るにつけ、地域住民の方を初め、今まで利用された多くの人々は寂しさを実感されていると思います。また反面、約三十ヘクタールもの広大な敷地が今後どのようになっていくのか、大きな関心事ではないでしょうか。 そこで、閉園されて間もないことは承知しておりますが、今後、本市として遊園地の跡地利用をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 次に、教育行政について教育長にお尋ねいたします。本市として、今年度より新規事業として、奈良市在住の大学生及び大学院生を地域人材として活用し、奈良市における園、小・中学校に派遣し、教育活動を支援するスクールサポートが開始されました。 そこで、一点目は、この事業の具体的な取り組み内容と現在の進捗状況についてお尋ねいたします。 次に、学校の安全についてお尋ねいたします。今月一日に佐世保市で痛ましい事件が起きました。真相の解明が待たれますが、今は心から被害者の御冥福をお祈りしたいと思います。しかし、事件の持つ重みを考えると、本市としてもインターネットと子供のかかわり方について改めて検証し、再発防止に努める必要があると思います。 二点目に、教育長の所見をお尋ねします。 さて、まちの安全や治安の問題とともに、学校の安全に改めて関心が集まっています。大阪・池田小学校の事件を持ち出すまでもなく、全国的に児童・生徒を凶悪犯から守るための対策が重視されています。ちなみに、外部からの侵入者によって引き起こされた学校内での犯罪は、昨年一年間で奈良市ではゼロ件でしたが、全国的には二千六百六十八件発生し、五年前の平成九年と比較しますと約二・八倍に増加しております。したがって、学校における子供たちの安全の確保は、保護者のみならず市民の最大の関心事の一つであります。 三点目は、このような状況に対してどのような御所見を持っておられるのか、教育長にお尋ねいたします。 現在、学校評議員制度が各校区に設置され、地域参加の学校運営が試みられております。学校の安全確保の観点から、学校・園が積極的に地域と連携した安全管理が必要と考えます。 そこで、四点目は、地域参加の安全確保の取り組みについてお尋ねいたします。 皆様も御承知のように、去る六月十五日の新聞報道によりますと、奈良市内において病原性大腸菌O157による食中毒の発生が報道されておりました。原因究明と感染拡大防止策並びに患者の治療などの指導が喫緊の対策と考えられます。季節的にも食中毒の発生しやすい時期でもあり、今後このような事案が発生しないように、関係機関とも連携をとり万全を期されることを要望し、私の第一問を終わります。 ○議長(米澤保君) 市長。  (市長 大川靖則君 登壇)
    ◎市長(大川靖則君) 八番山中議員の御質問にお答えをさせていただきます。 非常にたくさんございますもんですから、ちょっと割愛させていただくところもあるかもわかりませんので御了承を、割愛ではなく簡単なところもあるかもございません。御了承願います。 文化芸術振興条例の制定についてということでございます。このことは、奈良にとっては本当に必要なことでもあります。したがって、この文化振興の担い手であります市民を初め文化団体、教育機関等々そういう方々の御意見を聞きながら、今後その策定に向けて研究を続けてまいりたいと、そのように思っている次第でございます。 次に、総合計画の後期スケジュールということでございますが、第三次総合計画の基本構想の目標年次は二十二年でありまして、前期が平成十三年度から十七年、後期が十八年から二十二年の計画でございます。そのために平成十七年度中には策定を終える必要がございます。後期の基本計画策定につきましては、平成十五年度に奈良市を取り巻く社会経済環境の状況、国、県の奈良市に関する計画、データなど、いわゆる基礎調査を実施したところでもございます。今後は、将来人口の推計や市民ニーズの把握などの基本的な調査の必要もございます。後期基本計画には、合併協議が進んでおります月ヶ瀬村、都祁村を含めた新市建設計画にも配慮していくことが必要であると思っております。庁内関係部署との連携を図りながら、前期基本計画の評価、課題などを検討しながら、平成十八年度から後期計画のスタートに向けて鋭意努力をさせていただきたいと思っております。 次に、行政評価システム導入の進捗についてでございますが、行財政改革の手法の一つとして導入を目指しており、極力早い時期に本格稼働のできるようにと考えているところでございます。一部試験運用を行ったところでもございますが、今年度につきましても、昨年度の試行において抽出したシステムの問題点を改良し、すべての事務事業の中から対象をさらに拡大をして、引き続き試行してまいりたいと思っております。 次に、今後の展開についてでございますが、昨年度にスタートさせたところであり、先ほど申し上げましたように、事務事業について事後評価を試行実施しているところであります。この事後評価が一定の軌道に乗った段階で、事前評価にも取り組んでまいりたいと思っております。 次に、公共工事の入札についてでございますが、入札における最低制限価格につきましては、現在は中央公共工事契約制度運用連絡協議会が示したモデルの設定幅で最も低い率の六七%で一律に設定をいたしております。さらに、競争性、透明性、公平性を高めるため、適切な入札制度を構築できるように努力をする方向で進めてまいりたいと思っております。最低制限価格についてもその中に含まれており、今後どのような形で最低制限価格を運用するかについて論議を深めていきたいと思っております。 次に、郵便入札についてでございますが、Aランク、Bランクで発注する土木・建築工事について、新たに導入するものでございます。対面式の入札よりも透明性を高めるために導入するものでございます。 次に、ネットワーク社会における情報セキュリティー対策についてでございますが、本市におきましては、不正侵入を防ぐためのファイアウオールの設置やウイルス対策ソフトの導入など、ハード面、技術面でのセキュリティー強化を図っております。また、職員一人一人の情報セキュリティーに対する意識の高揚が重要であることから、機会あるごとに個人情報の保護にも努め、研修を実施いたしているところでございます。情報セキュリティーポリシーを策定し、今後は、この周知徹底を図り、コンピューター利用における情報管理に万全を期してまいりたいと思っております。 次に、統合型地理情報システムの位置づけについてでございますが、このシステムは部門間で利用可能な空間データを共通利用することによって、データ整備の重複を防ぎ、庁内全体の地図作成費用を削減するとともに、情報の共有化を促し、業務の効率化と迅速化を実現し、さらに多様な住民ニーズに的確に対応しようとするものでございます。今後、総合的な地理情報システムの構築につきましては、庁内ネットワークを活用して個別業務の状況に応じて整備をしてまいりたいと思っております。 次に、自主防災組織の向上に向けた取り組みについてでございますが、奈良市の組織率はまだ低く、先日策定しました東南海・南海地震防災対策推進計画でも、特に地域防災力の向上に重点を置きました。市民の方々による地域の実情に応じた防災マップの作成や避難路の確認等を家族単位で、班単位で、また組単位の取り組みにより、災害が起きたとき、地域住民が連絡して、被災住民の救出、救護、初期消火等の活動が円滑に行われることが重要でもございます。そのために、地域コミュニティーを大切にした自主防災組織の積極的な取り組みが必要でもあり、その自主防災組織の拡充に努めてまいりたいと思っております。 次に、避難所、一次避難地及び広域避難地の指定についてでございますが、避難所は市立の小学校、中学校や公民館等百四カ所を指定いたしております。また、一次避難地は十カ所、広域避難地は五カ所を指定いたしております。 次に、避難者数についてでございますが、被害想定では、市民が六万八百人、観光客が三万八千人、合計で十万人を想定いたしております。観光客の避難対策につきましては、宿泊施設みずから避難方法等についての訓練を深めていただき、いざというときに対処できるよう、平素からの取り組みについて連携を図ってまいりたいと思っております。また、大災害時には、市立以外の学校や、避難所として可能な施設も臨時的に避難所として追加指定をさせていただきたいと思っております。 被害ができるだけ少なく抑えられるような対策についての取り組みでありますが、まず市民の方々が災害に対する備えとして、みずからの命はみずから守る、自分たちのまちは自分たちで守るの自覚のもと、自主防災組織を全市的に結成していただき、地域の現状を把握するためにも防災マップを作成していただいて、避難場所、避難方法の確認等の取り組みを深めていくことが一番大切なことでございます。したがって、日ごろから私は、備えあれば憂いなしを合い言葉とさせていただき、市民の皆さんに徹底をしているところでございます。 次に、病院の建てかえについてでございますが、今後の医療を取り巻く環境などを考慮する必要がありますが、基本構想については、おおむね十年以内に療養環境に配慮した病棟の建てかえ整備を計画するとしております。移譲後は、社団法人地域医療振興協会と協議の上、関係機関とも調整を図ってまいらなければならないと思っております。 医療事故防止についてでございますが、移譲後の病院は市立病院として運用、機能していくことになりますので、市民に安心して暮らせる医療が提供でき、また市民に信頼される病院になるよう、病院の管理運営を行う社団法人地域医療振興協会とも協議を行い、医療事故防止のための対策にも取り組んでまいります。 市立病院の医師の確保についてでございますが、医師の確保は、患者に提供する医療の内容と直結する大変重要なことでもございます。基本構想に示されております四十一名の医師を含めて必要な職員の確保、指定管理者である社団法人地域医療振興協会とも協議を行い、二分の一以上の引き継ぎ職員の確保とともに、これ以外の職員の確保についても病院開設に支障が生じないよう確認いたしております。 次に、小児救急二十四時間体制についてでございますが、現在、県が策定いたしております地域医療計画に基づく北和地区八病院が参加する二次救急の小児科病院輪番制に参加することとしております。小児救急二十四時間体制については、当面、小児科病院輪番制の拡充をしてまいりたいと思っております。なお、小児救急医療の実施に当たりましては、小児科医の確保とともに、看護師、薬剤師、検査技師等の人員も必要となってまいりますので、社団法人地域医療振興協会と連携を図りながら、今後も奈良県、奈良市医師会等とも引き続き協議をさせていただいてまいりたいと思っております。 次に、赤字補てんについてでございますが、指定管理者の社団法人地域医療振興協会とは、病院運営は独立採算で行い、赤字補てんは行わないことが基本合意しているところであります。赤字が発生した場合においても、市は政策医療に係る費用を除いて赤字補てんは行わないことにいたしております。 次に、次世代育成支援対策についてでございますが、少子高齢化が進む中、少子化に歯どめをかけるために、平成十五年七月、次世代育成支援対策推進法が成立し、各市町村に地域における子育て支援のための行動計画の策定が義務づけられたところでございます。奈良市では、昨年度、行動計画の策定に当たり、就学前児童及び小学校児童のいる約五千世帯を対象にニーズ調査を実施し、本年、この結果を踏まえて現状分析を行い、市が取り組むべき少子化対策として、子供を産みやすく育てやすいまち、また次世代を担う子供にとって育ちやすいまちになるよう行動計画を策定してまいりたいと思っております。さらに、ことしの十月には、子育て支援の一助となるファミリーサポートセンター及び地域子育て支援センターを「あすなら」内に開設し、本格稼働を予定いたしております。 次に、乳幼児医療費助成制度の拡充についてでございますが、少子化の流れを食いとめ、乳幼児の健全な育成を図るための施策として、乳幼児医療費助成制度の拡充は必要でございます。現在、県の制度を受けて実施をいたしておりますが、奈良市においては、かねてより県の基準を上回った制度として実施をさせていただいております。しかし、次世代育成支援対策の観点から、子育てしやすい環境整備が必要であり、県の制度の拡充を今後も強く要望するとともに、奈良市としても年齢の引き上げ等についても今後考えていかなければならないと、検討課題の一つにさせていただきたいと思っております。 次に、環境清美でございますが、平成十五年度の焼却対象量と減量目標値の達成について、奈良市一般廃棄物処理基本計画の減量目標値は、二十三年度に焼却対象量を平成十二年レベルから一〇%削減する計画であります。つまり平成十二年度の焼却対象量は十一万九千二百七十九トンでしたので、平成二十三年度には十万七千三百八十二トンまで減量するという計画であります。この基本計画における平成十五年度の計画焼却対象量は十一万一千九百五十七トンで、実績焼却対象量は十一万三千二百九十一トンでありました。したがいまして、九九%の達成度ということになります。今後もごみ減量リサイクルの推進を図り、平成二十三年度には目標値を達成できるよう努力してまいりたいと思っております。 許可業者の搬入車両に対する展開検査は、ごみ減量・リサイクルの推進と適正な中間処理及び環境清美センターの効率的な管理運営を目的に定期的に実施をいたしております。平成十五年度の実施状況につきましては、毎週一回を基本とし、延べ四十五日実施いたしました。事業系ごみの搬入量につきましては五万一千二百八十一トン、平成十二年度は五万九千六百六十五トンでしたので、八千三百八十四トンの減、率にいたしますと一四%の減量ということでございます。今後とも定期的に展開検査を実施し、不適正な搬入防止、分別搬入等を推進されるように指導してまいりたいと思っております。 次に、衛生浄化センターの堆肥化施設が本格稼働すると毎日どのくらいの堆肥ができるかということでございます。この施設の堆肥化能力は一日当たり五トンであり、現在、この汚泥再生処理施設へは、一日にし尿・浄化槽汚泥合わせて八十九キロリットル搬入されております。このことから、水処理施設から発生する汚泥は四・九トンであり、施設近隣の六小学校、四つの保育園の給食残飯〇・一トンを合わせて発酵させ、堆肥にしているところであります。最終的には堆肥になるのは、一日当たり十五キログラム入りの袋が三十袋から五十袋できることとなっております。これは保育園とか公園、公共施設に提供いたしているところでございます。 次に、観光行政についてでございますが、国では二〇一〇年までに訪日外国人旅行者数を一千万人とする目標で、ビジット・ジャパン・キャンペーンが展開されております。奈良市におきましても、国内の木造の世界遺産を抱える市町村が連携して、木の文化の魅力を世界にアピールし、外国人観光客の誘致を図るため、五月には姫路市、斑鳩町、吉野町、もちろん奈良市も入るんですけれども、日本「木造の世界遺産」市町村連絡協議会を設立させていただきました。この協議会の事業として、日本で開催されたロータリー国際大会の参加者を対象としたモニターツアーを実施いたしたところでもあり、参加者には大変好評でございました。また、秋には木造世界遺産フォーラムを開催する予定をいたしており、観光についての専門家、学者、社寺等世界遺産関係者、各国総領事、内外プレス、内外の旅行会社等を対象に考えております。 その後の予定についてでございますが、木の文化を伝える市町村が幅広く連携し、周遊コースを設けていくことを視野に入れて検討させていただきたいと思っております。 次に、京阪奈新線事業の進捗についてでございますが、平成十五年度終了時点で全体進捗率が約七三・〇%となり、本事業のメーンともなる四つのトンネル工事につきましては、ほとんど掘削工事が完了いたしております。現在、東生駒トンネルのみが若干掘削工事を残すだけとなっております。今後の残事業については、路盤工、駅部構造物等、電気工事、軌道工事等が残されている状況ですが、予定より若干おくれた工区があるものの、工事は順調に進められて、平成十七年度内に開通に向けて着々と工事が進められているのが現状でございます。 次に、大淵鹿ノ畑線の進捗状況と今後のスケジュールについてでございますが、平成十五年九月には登美ヶ丘北中学校横、都市計画道路押熊真弓線より北へ延長四百九十七メートル、幅員二十メートルで事業認可を受け、事業を進めております。現在、用地取得率は七三%となっており、今年度内にすべて用地買収を完了し、あわせて主要部分の工事を実施する予定をいたしております。特に、駅前広場の整備についてでございますが、駅前広場として八千三十平米、奈良市側が二千二百二十五平米、生駒市側が五千八百五平米と、駅前広場へのアプローチとして駅進入路二百四十三メートル、駅退出路二百メートルの計画をしており、奈良市及び生駒市との整合性を図りつつ、平成十七年度の京阪奈新線の開業に合わせて、駅前広場を含め、駅周辺部が完成するよう鋭意努力をいたしているところでもございます。 次に、京阪奈新線事業により設置される仮称登美ヶ丘駅周辺のまちづくりについてでございますが、この地域のまちづくりの基本的な方向につきましては、本市のまちづくりの指針であります都市計画マスタープランにおいて、都市核として位置づけし、総合的な整備を目指すこととしております。また、まちづくりを進めるためには、地域の特性を踏まえた市街地形成を図ることが重要であると考えております。したがいまして、上位計画であります関西文化学術研究都市建設計画との整合を図るとともに、新駅周辺に求められる商業・業務機能、文化機能など多様な都市機能を有する都市拠点として整備いたしてまいりたいと思っております。そのためには、用途地域を初めとする地域地区の見直しが必要となりますが、決定権者でもあります奈良県とも十分に協議を進めてまいりたいと思っております。 次に、あやめ池遊園地の跡地利用についてでございますが、遊園地を含む本市の西北部ゾーンは、大阪近郊の良好な住宅地として発展をしてきたものでございます。今後とも郊外住宅地として成熟化を図ることを基本として、特に駅周辺については、地域を支える拠点として整備することが必要であると考えております。このことから、都市計画マスタープランにおいて、あやめ池駅周辺地区を地域核として位置づけをし、地域の生活拠点として、地区の特性を生かした機能の導入などにより、総合的な整備を目指すこととしております。 御質問の跡地利用につきましては、このまちづくりの基本的な方針に基づくとともに、風致地区指定区域内でありますので、風致景観の保全、育成に十分配慮した土地利用を指導してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 教育長。 ◎教育長(冷水毅君) お答えをいたします。 まず最初に、学校教育活動支援事業についてでございますが、現在、各学校・園へ派遣する学生等の登録及び各学校・園からのニーズの集約を進めております。各学校・園からは、幼稚園における保育の補助や障がいのある幼児への支援、運動遊びの指導補助が、小・中学校では、教員が授業を行う際、チームティーチングとして各教科の指導補助を行う活動や、コンピューターやインターネットの活用など情報教育の指導の補助、部活動の指導補助及び個別の支援が必要な児童・生徒への指導補助等、多くの支援内容について要望が上がっているところでございます。今後、学校・園と派遣する学生等の調整を進めて、できるだけ多くの学生を学校・園へ派遣してまいりたいと考えております。 次に、インターネットと子供たちのかかわり方についてでございますが、長崎県佐世保市の痛ましい事件につきまして、教育長として、教育者として心より哀悼の意を表するものでございます。 教育委員会といたしましては、六月校園長会において、いま一度命の大切さについて、自分のこととしてしっかり考えるとともに、各校・園の教育に生かすように指示をいたしたところでございます。今回の事件では、インターネットでのやりとりが原因の一つとして言われております。インターネット上の掲示板は、コミュニケーションのツールとして活用することは、これからの高度情報化の対応としては有意義なものでございますが、しかし出会い系サイトや差別落書きなど、犯罪につながる場合がございます。インターネットには、このように光の部分と影の部分があることを子供たちに指導する必要があると考えております。人と人とのつながりは、インターネット上では言葉だけを伝えることはできますが、表情から相手の願いや思いをうかがい知ることができないなど、互いの真意を伝え合うことはできにくいと考えております。この事件から、かけがえのない命の大切さ、心の教育、情報教育のあり方など、いま一度しっかり考え、指導に生かすとともに、子供一人一人の心の変化を見落とさないような指導を進めてまいりたいと考えております。 次に、学校における子供の安全確保についてでございますが、今日的課題であると認識をいたしております。そこで、本市におきましては、大阪教育大学教育学部附属池田小学校の事件後、毎月八日を安全確認の日と定め、「危機意識のアンテナを錆びつかせない、風化させない」を合い言葉に取り組んでまいりました。今後も子供や地域の実情を踏まえ、大切な子供の命や安全を守るための取り組みを進めていきたいと考えております。 次に、地域参加の安全確保についてのお尋ねでございますが、子供たちが犯罪に巻き込まれる事案が多発する現在、大きな抑止力になるものと確信をいたしております。本市におきましては、平成十二年に地域住民に子供を見守っていただく制度として、子ども安全の家を募集いたしました。当初は約九百軒の御協力からスタートいたしましたが、現在では約二千百軒の市民の皆様へと、その輪が広まっております。 また、学校・園単位ではございますが、PTAや地域の各種団体が連携し、パトロールを実施していただいたり、過日の新聞報道にもございましたように、地域のお力添えで監視小屋を設置し、監視活動をしていただいたりするなど、自主組織を立ち上げていただく取り組みが広がっております。今後も各学校・園が積極的に学校の安全マニュアルを地域に示し、地域と連帯して子供の安全確保に努めてまいるよう指示してまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午後零時零分 休憩  午後一時三分 再開 ○議長(米澤保君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(米澤保君) 代表質問を続行いたします。 二番浅川君。  (二番 浅川 仁君 登壇) ◆二番(浅川仁君) 私は、政翔会を代表いたしまして、通告しております数点の課題について市長に質問いたします。 質問に入る前に、我が政翔会について申し上げ、議員並びに理事者の皆様の今後の御理解と御協力をお願いしたいと思う次第でございます。 政翔会は、去る三月二十六日に七名の同志議員が相寄り、次の時代をも視野に入れて結成をいたしたものであります。メンバーは、ベテラン、中堅議員にも御参加いただき、昨春市議会に初めて議席を得た新人議員四名で構成いたしております。私ども政翔会は、保守本流の議員だけで構成いたしておりますので、今後の活動につきましても、全員のコンセンサスを原則として民主的な会派運営のもと、市政の発展と議会の活性化に正面から取り組む所存であります。そのためには、市政の成り立ち、議会の制度について基本的な知識を共有するとともに、さらに市政における諸課題を明らかにし、議会としての誤りなき対応を画策して、質の高い議員活動を目指そうとするものであります。今後、このような趣旨、目的で七名の議員は活動を展開いたしますので、諸般の場面で議員各位、理事者皆様に率直な御意見を伺い、御教示を仰ぐことが多々あろうかと思いますが、どうかよろしくお願いを申し上げまして、私の質問に入らせていただきます。 まず第一点は、市政の根幹であります財政の問題についてであります。大川市長は、今秋に行われる市長選挙に四選出馬を既に表明しておられますが、これまでの三期の任期中になし遂げられました数多くの意義深い事業を礎にして、次の任期を市政全般における仕上げのときと位置づけられており、必勝のもと、その思いが実現することをお祈りいたすものでございます。 そこで、現下の市政の重要課題に思いをはせますと、近隣二村との合併、市立病院の経営、保健所の建設、その他重要なプロジェクトがメジロ押しで控えております。そのような中、財政の硬直化は、これまでに経験したことのない状況にまで進んでおります。数値を申し上げますと、本年度予算におきます経常収支比率が九五・九%と算出されております。これほどの硬直化の原因は、市政運営によるだけでなく、外部環境に基づく要因が大きなウエートを占めているものと考えますが、これではせっかくの市長の思いも予算上、実現が非常に困難なものとなっているのではないかと思慮いたすものであります。 そこで、お尋ねいたしますが、この現状をどのように打開して、市長の思いが実現できる状況をつくり出そうとしておられるのか、お尋ねします。 次に、昨年九月議会で私が質問して市長に御答弁をいただき、また、本年三月の予算特別委員会で我が会派の奥田議員が質問され、吉田助役から答弁のございました西ノ京周辺の保存と整備の問題であります。 要点を整理しますと、まず世界遺産を含む自然環境や歴史的景観に配慮した地域整備のための西の京周辺を守る会による全体構想の策定、次に周辺の道路整備、さらに国立療養所西奈良病院への交通アクセス、以上であります。これら三点につきまして、市長と助役から既に積極的な御所見を承っているのでありますが、平成十六年度におきましては、具体的にどのように各事業を計画しておられるのか、明らかにしていただきますとともに、次年度以降に対する考えもあわせてお尋ねしたいと思います。 次に、月ヶ瀬村、都祁村との合併に関連して一点お尋ねしておきたいと思います。 去る五月初旬の地元紙の報道によりますと、「事務順調、年内にも完了か」との見出しで、奈良市と両村の合併の進捗状況を報じておりました。両村からのアプローチは昨年の五月でしたから、県内ほか市町村で画策されている市町村合併に比べて極めて円滑、順調に事務や協議を進められたものと評価いたすものであります。そして、四月二十六日に開催されました議会の合併問題検討特別委員会では、市町村合併の屋台骨ともいうべき重要な新市建設計画が報告されており、まちづくり計画の中で具体的な事業として、県事業も含めて三十二の事業が挙げられております。これらの中には、県道や農道など道路網の整備が件数として全体の四分の一含まれております。地域の動脈としての道路網は、地域の活性化にとって欠くことのできないインフラであり、その整備は市民生活の向上や産業の誘致、そして振興に結びつくものと確信する次第であります。 そこで、お尋ねしますが、こうした道路網の整備を受けて、今後、現在の市域であります本市の東部地域と、それに連なる新たな区域を編入することによって生じることとなる広大な、すなわち新市の二分の一を占める地域に対してどのような展望をお持ちになっているのか。現時点では合併もまだ実現しておりませんので、市長の構想あるいは夢でも結構ですので、お聞かせいただきたいと思います。 続いて、私の質問の最後に、入札制度に関してお尋ねをしておきたいと思います。自治法に基づいて実施されている入札は、良好な価格形成、業者の育成、品質の保持、受注機会の公平性などを目的として行われているものと理解をいたしておりますが、最近では経済の低迷による公共団体の財政悪化、それと相まって公共事業の総体的な減少とコストのダウンによって、特に、中小業者は塗炭の苦しみを味わい、その従業員の死活の問題となっているわけでございます。私の手元の資料によりますと、奈良市では平成十四年十一月に土木、建築、舗装、造園、塗装の工事を制限つき一般競争入札という、これまでにない新たな入札方法を取り入れられております。これは、平成十二年十一月のいわゆる入札適正化法を受けて、本市流の入札方法を制度化されたものと考えますが、この入札方法の導入によって、中小の業者がいかに混乱に陥ったかということは、導入以来、下位のランクに属する業者による入札に、いかにくじ引きによる業者の決定が多かったということに明らかでございます。このような方法による業者の選定がどれほど業者の育成につながったのか、大いに疑問を感じるところであります。私は、これまでこのような観点から、当局にさまざまな提言を行ってまいりましたが、明快な解決手法は明らかにされておりません。 そこで、お尋ねいたしますが、市ではこれまで業者育成をにしきの御旗に掲げて入札制度を運用してこられましたが、今、入札におけるこの観点は一体どうなっているのか、仮に業者の育成が工事の品質の保持と相入れないために、業者の育成は公共工事の入札から外されているとしたら、それは行政の責任を業者、とりわけB、C、Dランクの業者に押しかぶせているものであると言わざるを得ません。一体、中小業者の苦悩をどのように見ておられるのか。業者の育成は、もはや奈良市の入札において顧みられないものか。 もう一点、先日も郵便入札なる方法をとられるというようなことをマスコミの報道で知ったわけでございますが、これとても市の利便のための方法であって、今、困惑の中で入札に応じている業者にとって、いささかのメリットも考えられません。さらに、電子入札も検討されているようにも聞き及んでおりますが、要するところ、冒頭にも申し上げました条件つき一般競争入札の導入も拙速にし過ぎたのではないかということであります。今後、この種の制度変更は、行政の立場からのみ進めることのないよう、極めて慎重にしていただきたいということであります。 以上で私の一問目を終わります。 ○議長(米澤保君) 市長。 ◎市長(大川靖則君) 二番浅川議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず初めに、私が市長選四選に向かいまして、三期の実績を礎としてしっかり頑張りなさいという激励のお言葉をちょうだいし、心から厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます。 初めに、財政健全化に当たっての私の考え方についてでございますが、御質問の中にもありますように、現在、奈良市では、合併、市民病院の運営、保健所の建設等大きな問題が控えているのでございます。一方、我が国の経済情勢は依然として先行きが不透明な状況にあり、また今般示されている三位一体改革におきましても、その具体案は明らかにされておらず、地方への負担の転嫁が非常に大きく懸念されるところでもございます。午前中の御質問にもお答えさせていただきましたように、関係機関を通じて確実なる税源移譲に向けて働きかけをしてまいりたいと思っているところでもございます。本市を取り巻く経済情勢は、さらに厳しいものとなっておりますが、このような状況にある中で、今ここでどうして市民のニーズにこたえていくか、市民の立場に立って行政運営をしていかなければならないと、かように心を新たにいたしているところでもございます。限られた財源を有効にしっかりと生かせて、市民が希望されている、求められている、そうした行政施策の展開を図ってまいりたいと存じております。そして、現在策定を進めております行財政改革大綱におきましても、経常収支比率、財政力指数、また公債費比率の財政指標について、それぞれの目標値を設定し、それらを政策目標として財政の健全化に向けて全庁挙げ、職員一人一人がこのことに自覚をして頑張ってまいりたいと思っているところでございます。 次に、西ノ京周辺の整備についてでございますが、駅周辺につきましては、世界遺産の八資産群のうち薬師寺、唐招提寺の二つが存在いたしております。世界遺産の環境を守るためにも、西ノ京周辺の整備は急ぐ必要があると認識をいたしております。整備構想を策定していく上で、なかなか難しいのは、県道があり市道があり、また近鉄線が南北に通っていることでございます。このことから、平成十二年に地元の関係者の方々によって、薬師寺、唐招提寺、近鉄、奈良県、奈良市と、「世界遺産西の京周辺を守る会」をつくっていただきました。小委員会で構想がまとめられたところでありますが、それとて諸事の事情によって一たん中断した状況になっているのでございます。しかし、その小委員会でまとめられた構想案の主なものは、薬師寺と唐招提寺を結ぶ市道と県道京終停車場薬師寺線を含めた歴史的道筋、道路の整備であります。また、駅東西のバイパス道路の整備、仮称西ノ京六条線、また西ノ京駅東西の広場整備、また観光拠点の整備強化として観光利用施設の充実、こうしたこと等に一つの構想をまとめられたのでございます。 そこで、本年度は、再度薬師寺、唐招提寺、近鉄、県も守る会のメンバーに加わっていただき、新たに守る会の再編を行い、地元住民の方々の意見を踏まえながら、全体構想案をより具体的なものにしてまいりたいと思っております。次年度以降につきましては、全体構想案における問題点や課題を整理し、国、県などの関係機関との調整を図り、整備計画案の策定に向けて努力をしてまいりたいと存じております。 また、西ノ京駅周辺の道路整備についてでありますが、まず、近鉄西ノ京駅周辺の交通渋滞の解消を図る目的の仮称西ノ京六条線は、平成十五年度末での残り区間のうち、市道中部第三百三十八号線から乾川に沿って大池東詰めまでの区間の用地買収に必要な測量と建物移転の補償調査を実施し、現在、土地権利者の方々と買収に向けた交渉を進めており、本年度用地取得を終えたいと思っております。 また、国立療養所西奈良病院の周辺道路の大池西側での歩道整備につきましては、本年度国の補助事業として約三百九十メートル工事を施工し、残る以北、西ノ京交番前までの区間については、平成十七年度測量設計を実施し、地元水利組合、自治会の方々と実施に向けた協議を進めてまいりたいと考えております。 国立療養所西奈良病院へのアクセスについては、平成十六年十二月一日開設予定の統合新病院は、専門的な医療、臨床研究等備えた総合病院として開設されますが、利用者、利用される方々はこれからの高齢社会等もかんがみて、高齢者、障がい者などが安心して安全で新病院へ通院できる交通アクセスの確保は大変重要なことでもございます。統合新病院内へのバスの乗り入れ、またバスの運行経路につきましては、国立療養所西奈良病院、バス事業者及び地元の方々と十分協議をし、調整を図り、統合新病院利用者への利便性の確保に向けて努力をさせていただきたいと思っております。 次に、合併における現在の奈良市東部地域と月ヶ瀬・都祁地域の将来展望、あるいは構想、夢についてでございますが、奈良市東部地域は、平成十六年四月一日現在、その面積が九十二・八八平方キロメートル、人口が六千七百五十二人です。現在、奈良市に占める割合は、面積が四三・九%、人口が一・八%となっております。合併した場合、現奈良市東部地域と月ヶ瀬・都祁村地域を含めますと、その面積は百五十八・一二平方キロメートルとなり、五七・一%を占めることになります。また、人口は一万五千四百六十三人であり、四・一%となります。二分の一以上の面積が象徴するように、奈良市のあらゆる行政の中に占める比重は一層大きくなるものと考えられます。 本市東部地域、月ヶ瀬地域、都祁地域を合わせた、いわゆる新東部ゾーンの展望につきましては、現在、いろいろと検討いたしておりますが、新市建設計画案において、月ヶ瀬地域は、自然景観の保全と活用、農業を核とした活力の創造、地域資源を生かした集客・交流の促進を柱に地域づくりを進めることとしており、特に観光については、古都奈良の文化財、古都奈良の伝統行事を生かして、そして柳生地域の観光、また名勝月ヶ瀬梅林へと一つの観光ルートの設定もいたしてまいりたいと思っております。都祁地域につきましては、環境負荷の少ない企業の誘致により、雇用促進も図ってまいりたいと思っている次第でもございます。さらに、生産、加工、流通、販売が一体となった農業振興を柱にした地域づくりも考えていきたいと存じております。道路網につきましては、その整備は京奈和自動車道と名阪国道を連絡し、グリーンロードと連携する道路網の整備を進め、月ヶ瀬、都祁地域から奈良市へのアクセス改善、また地域経済の活性化を図っていかなければならないと思っております。 新市建設計画案に示しました事業の中で、奈良市民はもちろん、新東部ゾーンの住民の方にとってメリットとなる事業として、地域イントラネット基盤施設整備事業を計画しており、この事業は、地域公共ネットワークの整備を図ることにより情報化の促進や住民サービスの向上につながり、さらにテレビの難視聴地域対策にも寄与できるものと思っております。いずれにいたしましても、各地域の特性を生かしながら、それぞれの地域における機能を相互補完することによって総合力を発揮したまちづくりが展開できるものと思っております。特に、若者に将来の夢や希望を持っていただけるような具体的な施策を、庁内に設置している検討委員会で議論し、研究をいたしてまいりたいと思っております。 次に、入札制度についての御質問でございますが、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律並びに入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律を受けまして、奈良市では、平成十四年十一月より新しい入札制度を取り入れてきたところでもございます。公共工事の新しい入札制度につきましては、社会からの要請もあり、開かれた入札制度として、透明性、競争性、公平性を少しでも高めるために行ったものであり、適正な工事施工の確保が前提であることは当然のことであると思っております。長引く経済の低迷によりまして、建設業界は今大変な状況に置かれております。中小企業の方々の苦しみも十分に認識をいたしております。経済の低迷はあらゆる面にしわ寄せを来しており、公共工事の大幅な縮小も、その一因であると認識をいたしております。そのような中で、業者の育成につきましては、奈良市にとっても重要な課題であると私はそういうふうに思い、常にそうした事業の推進につきまして、また施策につきましても国の方に申し出をしたりいたしているところでもございます。例えば、公共施設でなくてはならないのは、福祉施設では特別養護老人ホーム、あるいはグループホーム等々、そうしたものにまで大きな制約を加えて、その事業の推進を図ることに大きな支障を来しているというようなことも一因ではなかろうかと思います。そんなことの促進等につきましては、今後、鋭意国の方にも働きかけ、事業がもう少し多くできていくように願っているところでもございます。 新しい入札制度の導入につきましては、性急に過ぎたのではないかということでございますが、この点につきましても御指摘のとおり、そのような一面もあったように認識をいたしているところでございます。今後、入札制度につきましては、より透明性、競争性、公平性を高めるために、より一層の検討を加えて慎重に進めながら、業者の健全育成にも努めてまいらなければならない、そのように思っているところでございます。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 二番浅川君。 ◆二番(浅川仁君) 二問目は自席から行います。 ただいまは、市政に関する四項目の質問に対しまして、市長からそれぞれ理解のできる御答弁をいただきましたので、二問目は関連する若干の要望を申し上げたいと思います。 まず、財政の問題でありますが、御答弁にもありましたように、市政としての重要課題の推進という大目標を持ちながら、経済情勢の不透明さとも相まって、国の三位一体改革の行方が定まらない中、行財政の運営に御腐心いただいているところでありますが、要は柔軟な財政運営が市民ニーズ満足への基礎となることを踏まえて、早期に行財政の改革を進められますことを期待したいと思います。 次に、西ノ京地域におきます地域整備に関しての三点の問題でありますが、この地域が奈良市においてどのような位置を占めているか、地理的な問題ではなく、歴史的、機能的な面についてであります。このことを考えたとき、市が整備することの必要性はおのずから明らかでありますので、ぜひその計画に沿って、地域の民意を反映させた整備を着実に進めていただきますよう要望しておきます。 次に、合併の問題につきまして市長の豊かな発想をお聞かせいただき、本市の東部地域と、それに続く新たな市域となる地域の将来像に明るい展望を感じた次第でありますが、要するところ、市域の二分の一を占めることとなるこの地域の発展が、今後の奈良市の発展に大きなインパクトを与えることは必定でありますので、御答弁をいただいた方向で具体的なプロジェクトを立ち上げていただく必要があるものと感じております。 次に、入札についてでありますが、経済情勢、時代の趨勢などの変化によって公共工事の縮減が余儀なくされております中、業者の選定のあり方についていろいろと御尽力をいただいておりますことは、御答弁からうかがうことができるわけでございますが、今、当惑している業者も市民であり、今後は制度の改正や変更については、慎重の上にも慎重を期していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思いますが、最後に、私たち政翔会は、さきの三月定例会閉会後に結成した関係もあり、三月議会中にはできませんでしたが、来る九月五日に執行の奈良市長選挙に立候補を予定されております大川市長に、会派所属議員一同一致結束して圧勝と四期目の御活躍を祈念し、御推薦申し上げますことを表明いたします。そして、市政の発展のためにともに頑張っていきますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(米澤保君) 二十三番井上君。  (二十三番 井上昌弘君 登壇) ◆二十三番(井上昌弘君) 日本共産党奈良市会議員団を代表して、既に通告しております数点について質問をいたします。 まず、憲法の改憲、そしてこれと連動した米軍支援法など有事関連七法や教育基本法の改定問題など、国と自治体のあり方に大きな影響を与える問題についてお伺いをいたします。 日本国憲法は今、大きな試練を迎えております。参議院選挙を前に各党が改憲を競い合っているからであります。改憲のねらいは、戦争はしない、軍備は持たないと決めた第九条を改悪することであることは、この間のさまざまな動きを見ても明らかであります。しかし、二〇〇〇年に国連で開かれたNGOの会議で、すべての国がその憲法において、日本国憲法第九条に表現されている戦争放棄原則を採択することが提案をされました。今、憲法第九条の値打ちが世界で光り輝いております。日本は、憲法第九条の値打ちを生かし、平和外交の先頭に立つべきであります。非核三原則、武器禁輸原則は、憲法第九条が生み出した、世界でも先駆的な外交原則であります。また、米軍支援法など有事関連七法は、昨年成立した武力攻撃事態法の枠組みに沿って、日本が米軍の戦争を支援し、共同して軍事行動を遂行する体制をつくり上げるものであります。自治体職員も強制的に戦争体制に動員されてしまいます。戦後、自治体労働者はもう二度と赤紙を配らない、また教師は教え子を再び戦場に送らない、これを合い言葉に平和な社会実現のために頑張ってまいりました。改憲は、憲法九条の平和原則を踏みにじり、日本をアメリカと一緒に戦争のできる国にするものであります。 また、これと連動して、教育基本法を見直そうという動きもあります。基本法は、戦後、憲法と一体の法律として、戦前の教育を根本から転換するために制定をされました。ところが、人格の完成が教育の目的と宣言されているにもかかわらず世界でも例がない競争的な教育制度、教育の機会均等というのに世界一高い学費、教育行政の任務は教育条件の整備のみとされているのに教育内容への介入をやめない政府、例を挙げれば切りがありません。今求められているのは、学校や家庭、地域など社会全体が協力して教育の困難を解決することであります。基本法との関係でいえば、その民主的な理念や原則を豊かに生かすことこそ、建設的な方向であります。 そこで、市長にお伺いいたします。憲法及び教育基本法を変えること、また有事関連七法を制定することについてどのような見解をお持ちでしょうか。 次に、合併問題についてお伺いいたします。今、全国で住民のための施策と地方自治が危うくされています。政府が今年度予算で地方交付税など国から地方への財政支出を大幅に減らし、自治体の予算編成が困難になっている事態が各地で生まれております。去る六月九日に行われた全国市長会議でもこのことに関連して、真の三位一体改革の実現に関する緊急決議が採択をされました。政府は、来年度以降も地方交付税と地方に対する義務的な負担金を削減すると言っております。そのかわりに国から地方に税源を移譲するのが三位一体の改革だと言ってまいりました。しかし、今年度を見ても、削られた合計は三兆九千億円、ふえた地方の税源はわずか四千五百億円にすぎません。また、三位一体の改革とあわせて、強力に市町村合併が進められております。合併は、究極の自治体リストラだと言われております。三位一体改革も合併も国の財政赤字を地方に押しつける、このねらいであることがはっきりいたしました。 さて、今、二村との合併協議が大詰めを迎えておりますけれども、市民の関心はいま一つ盛り上がっておりません。市民の方とお話ししても、こちらが話題にしない限り、合併のことを聞かれることはまずありません。合併協議会だよりやホームページの反応もごくわずかだと聞き及んでおります。合併の目的や理念がはっきりしておらず、奈良市民にとって、今回の合併がどういう意味を持つのか、一人一人の市民の意識にとらえられていないからではないかと思います。 そこで、市長にお伺いいたします。今の時点で合併の理念、目的をどのように考えておられますでしょうか。 二点目、市民にとって、今回の合併のメリットは具体的にはどういう内容でしょうか。 合併問題の二つ目は、財政問題であります。新市建設計画案では、合併後十年間は歳入が四十七億円ふえ、歳出が六億円削減される結果、合計五十三億円の効果がある。また一方、新市建設計画事業では、歳入二百九十六億円に対し三百五十六億円の歳出があり、六十億円のマイナスが出るとなっております。したがって、合併効果五十三億円のプラスと新市事業計画所要額の六十億円のマイナスを相殺すると、十年間で七億円財源が不足するということになります。その次の十年間は交付税が一本算定方式に移行し、交付税は大幅に削減されること、合併特例債の償還がピークを迎えることなどを考えると、さらに財源不足が深刻化することが確実ではないかと思われます。 そこで、合併にかかわる財政問題について三点お伺いいたします。まず、合併後、十年分のみのシミュレーションであり、交付税一本算定や特例債償還がピークを迎える時期の問題が全くわかりません。少なくとも十年目から二十年目までは大まかでもその見通しは持つべきではないかと思いますが、御所見をお聞きいたします。 二点目は、奈良市の市税は、一九九六年をピークに八年連続で下がり続け、百億円以上減少しております。ところが、財政計画では、合併後は一転して五年間、毎年一%ずつ市税が上がるという想定となっております。その根拠は何でしょうか。 三点目、新市建設計画の個々の事業費が明らかにされておらず、金額を含めた妥当性の検討ができません。新市建設計画の主な建設事業の金額についてお示しください。 合併問題の三つ目は、市民の意思を直接問わないまま、合併協議を終結させるのかどうかという問題についてお聞きをいたします。私は、先日、岐阜市に隣接し、昨年四月に三町村が合併してできた、人口三万人の岐阜県山県市に視察をしてまいりました。そのうちの一つ、旧美山町では役場が支所になり、合併前八十人いた職員は九人、そしてことしはさらに減り、六人になりました。立派な三階建ての旧の役場は閑散としており、商店街には閑古鳥が鳴いております。合併前には保育所が三つ、小学校が三つ、中学校一つが廃校になり、合併がこの過疎をさらに後押しした現実を目の当たりにしてまいりました。美山支所の支所長さんでさえ、職員がこれだけ減るとは思ってみなかったと言っておられました。また、旧役場前の食堂のおじさんは、いつ仕事をやめようかと思う、合併についての意識調査も何もなかった、今になってこれをやってほしかったとつくづく思うとおっしゃっておられました。合併するにしろ、しないにしろ、住民にきちんと説明した上で、合併の是非を直接住民に問いかけ、その意思や判断を尊重することなしに住民参加のまちづくりはできないことを痛感をいたしました。さきの三月議会で、私は、住民投票やアンケートなどの形で市民の意思を集約すべきではないかと質問したところ、しないとの答弁でございました。 そこで、市長にお伺いいたします。合併問題について、奈良市全体として市民の意思を問わないまま協議を閉じようとされているのかどうか。また、問わないのであれば、その理由についてお聞きをいたします。 次に、生活保護行政についてお聞きをいたします。長引く不況の中で、奈良市でも生活保護世帯がこの六年間で一・五倍に増加をしております。最後のセーフティーネットとしての生活保護の役割はますます重要になってきております。ところが、政府は、老齢加算の廃止に続いて、二〇〇五年度にも生活保護に対する国の負担を現在の四分の三から三分の二に引き下げようとしております。今でも厳しい締めつけをさらに強化して、国民の生存権を乱暴に侵害しようとするものであり、絶対に許せるものではありません。特に、七十歳以上の保護世帯にとっては、老齢加算の廃止は生活に重大な影響を与えるものとなっております。各地で老齢加算の削減に対して不服審査請求の運動が広がっているのも当然のことだと考えます。 こうした中で奈良市は、昨年、冬の見舞金を減らしたのに続き、ことしは夏の見舞金六千円をゼロにいたしました。私は、夫婦とも七十歳を超える保護世帯の方にお話を聞いてみました。夫婦二人で十五万円ほどあった保護費が、この四月から約十三万五千円に減った、タクシーでしか行けないようなところの特別養護老人ホームに九十歳の母親がいる、もう一年以上も見舞いに行っていない、こんなに減らされたらもう行く気もなくなってしまうと涙ながらに訴えておられました。 そこで、市長にお伺いいたします。奈良市における老齢加算削減の対象となったお年寄りの数と削減額についてお聞きをいたします。また、せめて見舞金削減は撤回すべきだと思いますが、この点についての所見をお聞きをいたします。 次に、乳幼児医療費助成制度についてであります。子供の命はみんな一緒、お金の心配をせずに子供がお医者さんに診てもらえたらと思うのは、子育て最中の親御さんの切実な願いであります。子育てにお金がかかるため、一人の女性が産む子供の数が年々減少してきていることは、午前中からの質疑でも明らかであります。少子化対策の一環として乳幼児医療費の無料制度を拡充する運動が全国で取り組まれてまいりました。しかし、三十の中核市の中で入院だけを例にとりますと、二歳までしか無料でないというのは奈良市を含めて三市しかありません。あとはすべて三歳以上となっております。おくれは明らかと言わねばなりません。子供の医療費無料制度の拡充を求める署名一万三千筆分が既に奈良市に提出をされております。子育て中のお母さん、お父さんの要望が大変強いことが証明をされました。私は、この署名提出に際しまして立ち会ってみました。若いお母さんにとって乳幼児医療費無料化を何歳まで実施をしているか、このことが自治体の子育て応援の尺度となっていることがよくわかりました。とりわけ生駒市や京都南部の町村など奈良市と隣接をしているところで、近年次々と制度を拡充をしてまいりました。奈良市のおくれが一層際立つ状況となっております。 また、三歳未満児の医療費自己負担が三割から二割に引き下げられたことによって、二〇〇三年度の乳幼児医療費助成額は市の負担が二千七百万円の減となっております。このように少子化が一段と進む中で、周りの市町村が次々と拡充していること、市の財政負担も若干軽減されていること、何よりも強い親の要望が署名という形でたくさん出てきていること、このような状況を踏まえて改めてお伺いをいたします。せめて就学前まで乳幼児医療費助成制度を拡充すべき時期に来ているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。 次に、市立病院についてお伺いいたします。この間、私たちは国立奈良病院の奈良市への移譲に際して、提言の発表やシンポジウムの開催などを通じまして、市民の皆さんの願いにこたえられる病院づくりになるよう指摘をしてまいりました。とりわけ要望の強い小児救急については、繰り返し議会でも質問をしてまいりました。昨年、厚生労働省が小児科以外の救急担当医を対象にした調査で、小児科以外の救急担当医は、子供の救急患者を診療する際、九〇%以上が不安を感じている、そして六割の救急医が転送したいと思ったことがあるという結果が出ております。子供の場合、軽症か重症かの判断が難しい上に容体が急変しやすく、検査や治療で専門的な知識と経験が必要とされております。したがって、二十四時間の小児救急体制の充実は子供を持つ親の要求であるだけでなく、医師の側からも歓迎される内容だと考えます。 そこで、私は、市内で開業している小児科の先生に取材をしてまいりました。奈良市医師会の会長の呼びかけで市内の小児科医連絡協議会が持たれ、市立病院のことも議論したと聞きました。市から頼まれれば協力することはやぶさかではないというのが、そこの会議の総意であったそうであります。クリアすべき問題は二つあって、一つは医療ミスに対する責任問題、もう一つは、病院勤務医と開業医との連携を可能にするシステムづくり、この二つが実現できれば、開業医として協力は可能だとおっしゃっておりました。 そこで、お聞きをいたします。一点目、他府県への小児救急の搬送はどれくらいあるでしょうか。 二点目、小児救急の輪番に参加するというのが現時点での奈良市の立場ですが、当面はこれで出発するとしても、市民と医師の要望にこたえて二十四時間小児救急を今後の市立病院の政策医療として検討するつもりがあるのかどうか、お聞きをいたします。 次に、防災行政についてお伺いいたします。東南海・南海地震が百年から百五十年周期で発生しており、今世紀前半の発生が懸念をされております。このため、昨年十二月に奈良県内の全市町村がこの地震防災対策推進地域に指定され、防災課も設置されたところであります。また、来年は、阪神・淡路大震災が起きて十年を迎える年でもあります。 そこで、お伺いをいたします。学校体育館、公民館など百四カ所の避難所における耐震診断及び耐震改修の実施状況はどうなっていますでしょうか。 二点目、個人住宅における耐震診断助成について、今年度から開始をし、その数はわずか十五戸募集と聞いております。今後、どの程度の戸数を予定されておりますでしょうか。 最後に、財政問題についてお伺いいたします。財政問題については、外部監査の指摘事項にどう対応するのかという視点でお伺いをいたします。この四年間を見ただけでも、シルバーパスや学童保育、基本健康診査、寝たきりのお年寄りの散髪代の有料化、また障がい者療育バス助成の廃止、長寿お祝い事業の縮小など、福祉、健康、暮らしなどの予算を次々と削る一方で、開発優先の市政の結果、借金総額は年間予算の二倍を超える二千四百億円となり、その返済が財政を圧迫しております。この開発優先の市政を推進する上で大きな役割を演じたのが、土地開発公社などによる土地取得や宅地造成事業であります。昨年度、この二つに対して外部の監査法人による監査が行われました。この監査結果の報告書を読みますと、問題の先送り体質が鋭く指摘をされております。ならまちセンター駐車場など九事業は既に事業が開始されているにもかかわらず、奈良市がいまだに土地開発公社から買い戻していないため、十三億円分の歳出が隠されております。また、JR奈良駅周辺整備、中ノ川の二つの事業を合わせた簿価は約二百億円ですが、現時点での土地価格は約十一億円にまで下がり、この二事業だけで百八十九億円の含み損が発生しております。これらはほんの一例ですが、監査報告書では、議会が関与しない外部借り入れによる取得が可能であることが安易な土地の先行取得をもたらし、結果として長期にわたって有効活用されない膨大な遊休土地を発生させたと指摘をしております。 そこで、市長にお聞きをいたします。公社保有土地の買い戻しを今後どのように進めていくおつもりでしょうか、お答えください。 以上で第一問を終わります。 ○議長(米澤保君) 市長。  (市長 大川靖則君 登壇) ◎市長(大川靖則君) 二十三番井上議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、憲法改正についてでございますが、憲法九条は、第二次世界大戦を経験した我が国が世界の恒久平和を念願して定めたもので、戦争と戦力の保持を禁止したという意味では、世界の憲法史上、例のないものであると認識をいたしております。日本国憲法が制定されてから約六十年が経過しようといたしており、現在の世界の状況は、制定当時とは変わっていることも事実でございます。国におきましては、各議院に憲法調査会が設置され、日本国憲法について広範囲かつ総合的な調査を行っておられますが、憲法改正については具体的な論議はされておられません。今後も国における議論を注目してまいりたいと存じております。 有事関連七法案についてでございますが、基本的には国政の問題でございます。国におかれましては、慎重かつ十分な審議が尽くされた上で制定されたものと思っております。 次に、教育基本法の改正についてでございますが、昭和二十二年に施行された法律であり、制定以来半世紀が過ぎ、この間、国民の教育水準は大きく向上し、社会も豊かになりましたが、一方、社会状況は大きな変化の中で、教育は多くの課題を抱えているのが現状でございます。平成十五年三月二十日には、中央教育審議会から「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」の答申が出されております。現行の教育基本法にうたわれている個人の尊厳、真理と平和の希求、人格の完成などの理念を踏まえた上で、新しい時代にふさわしい教育基本法についての論議をすることが大変意義あるものだと思っている次第でございます。今後とも、国の動向を見ながら注意深く見守ってまいりたいと思っております。 次に、今の時点での合併の理念、目的と、市民にとっての合併による具体的なメリットについての御質問でございますが、合併は究極の自治体リストラであり、国の財政赤字を地方に押しつけるためであるとの御指摘でありますが、合併問題の検討は、市町村みずからの意思によって、主体的に自発的に考えるものでもございます。もちろん三位一体の構造改革の中に包含はされているものの、今申し上げましたように、合併の意思は市町村みずからのものでございます。その合併の理念、目的、メリット等につきましては、先ほど浅川議員にお答えをさせていただいたとおりでございます。 次に、合併問題について市民全体として市民の意思を問わなかったんじゃないかということでございますが、これまでも市民だよりや合併協議会のホームページや合併協議会だよりなどで、合併について意見を募集もいたしたところでもございます。また、近く新市建設計画案の内容などをお知らせする合併協議会だよりの発行も予定いたしており、今後とも市民の意向把握に努めてまいりたいと思っております。 次に、合併後十一年目から二十年目までの十年間の財政見通しについてでございますが、地方交付税が合併後十一年目から段階的に一本算定方式に移行することに伴う影響額は、移行前に比べて十年間の総額で約二十六億円の減収となります。また一方、その十年間での合併特例債の償還額は、総額約百六十九億となる見込みであります。なお、そのうち七〇%につきましては、普通交付税の基準財政需要額に算入されることになっているのでございます。 合併後五年間の市税収入が毎年一%上がると想定した根拠についてでございますが、これにつきましては、内閣府が構造改革と経済財政の中期展望において、名目二%成長の見通しを示していること、また、最近の経済動向において景気改善の動きが見られることなどを勘案して、若干の伸びを見込んだ次第であります。 次に、新市建設計画の事業費についてでございますが、新市建設計画に提案された事業は、合併に伴う一体性の速やかな確立を図るものと、あるいは均衡ある発展に資するため行う公共的施設の整備事業であります。いずれの事業も必要で重要な事業であるとして判断されましたが、四月十六日開催の第七回合併協議会において、個別の事業費は発表しないという申し合わせが確認されたところであります。その理由でありますが、合併協議会の委員から出された意見は次の三点に集約をされております。一つは、提案の事業の中には、場所の特定ができていない事業がある。二つ目は、今後の経済の動向、趨勢等を見きわめ考慮したとしても、精度の高い事業費を出すことは困難である。三つ目は、個別の事業費を発表した場合、その金額が旧地域ごとの事業費であるかの先入観となり、結果として市民の期待を裏切る場合がある。以上の点から、事業別の金額を発表することは慎重にすべきであるとの意見がございました。 次に、本市における老齢加算削減の対象となったお年寄りの数と一年間当たりの削減額についててございますが、本年四月一日現在で老齢加算をしている被保護者の方は千百三十七人で、一年間当たりの削減額は八百九十五万九千五百六十円でございます。今回の老齢加算の見直しにつきましては、国の今後の生活保護制度のあり方について審議、検討されたものであり、国の厳しい財政や社会情勢を御理解いただきたく存じます。 また、夏季見舞金削減の撤回についてでございますが、昭和四十三年より八月の夏季見舞金や十二月の歳末見舞金を平成十五年度まで市の単独事業として支給をさせていただいてきました。県下及び近畿の中核市の支給状況を見ましても、歳末の見舞金の支給のみとなってきており、また本市の財政も緊迫しております状況から、本年度より夏季見舞金の支給を廃止させていただくことになりました。 次に、乳幼児医療費助成制度の年齢拡大についてでございますが、これも先ほど山中議員の御質問にお答えさせていただいたとおりでございます。ただ、県の制度が二歳未満となっておるものでございます。したがって、今後も県の制度について、もっと年齢の引き上げについて私たちも努力をしますけれども、皆さん方の方の御指導、御協力もお願い申し上げる次第でもございます。例えば一歳引き上げいたしますと、その単独費用は約一億円になるということを参考までに申し上げておきます。 次に、他府県への小児救急患者の搬送はどれぐらいあったのかでございますが、平成十四年の奈良市消防局の救急搬送では、生後二十八日未満の新生児一人、生後二十八日から七歳未満の乳幼児が十七人となっております。 次に、二十四時間小児救急を今後の市立病院の政策医療として検討するつもりはないかということでございますが、現在のところ、小児救急につきましては、県が策定しております地域医療計画に基づく北和地区八病院が参加する二次救急の小児科病院輪番制に参加することとしており、当面は小児科病院輪番制を拡充してまいりたいと考えております。 次に、避難所における耐震診断及び耐震改修の実施状況についてでございますが、耐震性を有する施設は五十八施設であります。残る四十六施設につきましては、早い時期に年次計画によって耐震診断を実施してまいりたいと思っております。また、耐震改修については、診断結果に基づき改修計画を作成してまいりたいと思っております。 個人住宅における耐震診断助成についてでございますが、阪神・淡路大震災から早くも十年を迎えようとしております。また、東南海・南海地震の発生の可能性についても大きくマスコミで取り上げられているところでもあります。本市といたしましても、昭和五十六年の建築基準法の改正による新耐震設計以前の木造住宅数は約三万二千四百軒ございます。ならまちを初めとする旧市内に密集しているのが現状でございます。このような状況を踏まえ、安全で安心なまちづくりを推進する観点から、木造住宅における耐震診断の実施については重要と考えております。個人住宅において、耐震診断助成について今年度から事業実施をいたしてまいります。今後の予定でございますが、今年度募集要項を作成し、秋ごろに募集をかけていく予定でございます。 次に、土地開発公社保有土地の買い戻しを今後どのように進めていくかということでございますが、十五年度末の公社保有土地の残高は約三百二十九億三千万円となっており、十四年度末に比べ約十七億円の減となっております。しかし、急激な景気後退等の厳しい社会経済情勢による公共事業の抑制や事業の見直しにより、公社からの買い戻しが当初計画どおり進まず、未利用、また供用済みとなっている事業用地が多くあります。このことから、五年以上にわたり保有している長期保有地の利用及び処分について調整を行うため、昨年十月に土地開発公社経営健全化対策検討委員会を設置し、公社の健全化を図るための取り組みを進めているところでございます。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 二十三番井上君。 ◆二十三番(井上昌弘君) 二問目は自席で行います。 まず、二点再答弁をお願いし、あとは要望とさせていただきます。 合併にかかわる財政問題についてであります。合併後最初の十年間は、先ほど申し上げましたように七億円の財源不足、そしてその次の十年間は、先ほどの市長答弁にもありましたように交付税が二十六億円の減収、また合併特例債の償還は、最初の十年間の償還額の三倍に当たる百六十九億円返さなくてはいけないという御答弁でございました。合併後、最初の十年間は七億円の財源不足ですけれども、その次の十年間は、我々の試算によりますと六十六億円の財源不足にまで拡大するとの結果が出ております。いずれにしても、最初の十年間よりも次の十年間の方が財源不足はさらに拡大するという構造は間違いないのではないかと考えております。 また、市税収入も五年間ふえ続ける根拠に景気回復を理由とされましたけれども、景気回復も報道されておりますけれども、中身としては大企業中心の景気回復であり、中小業者や、あるいは国民の懐はまだまだ冷え切っていると言わねばなりません。しかもリストラや賃下げなどによる収益回復のために、個人消費の回復は進んでおらないという状況の中で、合併した途端に市税がふえるという見通しは極めて甘いのではないかと指摘せざるを得ません。 次に、合併問題に関して、二点目ですけれども、私、去る六月五日に都祁村で行われました合併問題を考える村民の集会に出てまいりました。四人の村会議員さんがコーディネーターとして発言をされておりました。そこでは幾つか意見も出されておりました。新市建設計画の都祁村にかかわる部分が本当に実行されるのかどうかという心配をされておりました。例え話ですけれども、人口でいうと奈良市と都祁村は五十対一ぐらいであります。今回の合併が五十人のクラスに一人の転校生が入るようなものであり、その一人の転校生のことをどれだけ奈良市民全体が真剣に考えてくれるのか、とても心配だと。二つ目は、財政問題が合併の理由であるというのであれば、苦しくても合併しなくてもやっていける道を自分たちで歩いていこうではないか、歩もうではないかと提案をされておりました。自立するために六億円財源が不足するというなら、固定資産税や水道料金の値上げもやむを得ない、草刈りや道路補修も今までのように役場任せでなく、自分たちでできるところは自分たちでやっていこう、財政再建の計画もみずからの手でやっていこうという熱心な討議がされておりました。三つ目の村民の皆さんの心配は、都祁村は都市計画上は区域外、つまり無指定の区域になっておりますけれども、この現状を死守すべきだとの意見が強く出されておりました。 いずれにいたしましても、都祁村がなくなるという問題を村長や議会だけで決めてよいのか、きっちり判断材料を村民に示した上で村民に合併の是非を問い、その判断の上で決めるべきだとの意見が大勢だったと思います。極めて正当な要求だったと思います。 そこで、一点、再答弁をお願いいたします。村がなくなるというこの村民の不安、身の震える思いをどのように受けとめておられるか、再答弁を求めます。 二点目の再答弁は、乳幼児医療費助成制度の拡充の問題であります。これは確認のための再答弁をお願いしたいと思います。 この問題では、我が党はたびたび議会でも取り上げてまいりました。二年前の六月議会でも条例提案もし、また意見書も出して、お父さん、お母さんの願い実現にと頑張ってまいりました。今度の議会でも条例提案をする予定をいたしております。昨年の三月の議会で我が党の日和佐穣甫議員がこの問題に関連して、奈良市はおくれているのではないかと質問をいたしました。そのとき市長さんは、おくれているのではなく、こういう制度として実施しているのだと答弁をされました。しかし、午前中の答弁や、先ほど私の質問に対する答弁見ましても、一歩踏み込んだ中身になっていると理解をいたします。昨年の認識から一歩踏み込んでこの制度の拡充を検討する、年齢の引き上げを検討する、このように解釈してよいのかどうか、再答弁をお願いいたします。 ○議長(米澤保君) 市長。 ◎市長(大川靖則君) お答えをさせていただきます。 合併によって都祁村がなくなるんではないかと、村民の不安があるのではないかということでございますが、これも合併法定協議会で協議もいたしておった中といたしまして、できるだけ都祁という名称を残して、都祁何々町と、こういう形でやってほしいという御意見もたくさんございましたし、これからの町名についてはそういう形で行っていくもんなんでございますから、決して私はそうした都祁村が消え去っていくというような考え方はないと、そんなように思っております。 それから、乳幼児の医療の問題でございますが、先ほども申しておりますように、本当にこれは県の制度であります。したがって、先ほどからおっしゃっておられますように、いろいろなところでたくさん年齢引き上げをされておられるということを申されておりますけれども、私、決してそんなにたくさん行われているとは思っておりません。もう限られたところだけがされているというように思っているところでもございます。先ほども申しましたように、一歳年齢を上げることによって約一億円の現金が必要となると、こういうことでございます。それはそれで結構でございますけれども、やはりそれだけの大きな負担額をずっと六歳未満まで持っていけるかどうかというのが、奈良市の財政状況から見たら、非常に考えなければいけない。できるだけ乳幼児の健全育成あるいは少子化の問題等々から考えますと、やはりこの医療費の充実も若干させていただくことが政策の一つのあり方ではないかと、そんなふうに思っております。したがって、先ほど申しましたように、皆さんの党は、県会議員もございます、また国会議員もおられるんです。どうぞそちらの方でひとつ大きな運動も展開していただくように、ひとつお願いを申し上げたいなと。そしてまた、このことについて私がここで先ほど申し上げましたように返答いたしますと、すぐに機関紙でこれを勝ち取ったとか、それをしたとかいうような、ちょっと市民に誤解を招くような宣伝効果はひとつやめていただきたい、これはひとつお願いを申し上げたいと思います。そんなことで、先ほど言いましたことには、ひとつそういう方向で進めていきたいと思っております。 以上です。 ○議長(米澤保君) 二十三番井上君。 ◆二十三番(井上昌弘君) 最後は要望とさせていただきます。 乳幼児医療費の問題は、中核市ではほかにもたくさん三歳児をしておりますけれども、もちろん県の制度と連動して三歳児をやっているというところが多いということは承知をしております。しかし、県でも、もう既に半数以上の都道府県でこの問題が実現をしておりますし、奈良市でもぜひ少子化対策の一環として進めていただきたい。もちろん県にも署名は出しておりますし、大いに運動は進めていきたいというふうに思っております。 ただ、こういう成果についてはですね、きちんと市民の皆さんにお返しをするということも我々大切な役目だと思っておりますので、お知らせしないということは確約はできません。 あとは要望とさせていただきます。一つは、憲法問題についてでございますが、日本の憲法は、戦争はしない、軍備は持たないと決めた九条はもとより、人権を豊かに多面的に保障している点でも世界に誇るべき憲法であることは、先ほど述べたとおりであります。例えば二十五条は、健康で文化的な生活が国民の権利である、社会保障の充実は国の責任である、このことをうたっております。こういうことを宣言しております国は、サミット参加国では日本とイタリア以外にはないというのが事実であります。我が党は、憲法を制定するに至った経緯や、国民がこの憲法に込めた熱い決意、この憲法の基本精神などを書き込んだ憲法前文を含め、日本国憲法のすべての条項を厳格に守り、憲法を変えてそれを現実に合わせるのではなく、現実を憲法の理想に近づける努力を今後とも精いっぱい続けていくものであります。 二点目、生活保護行政についてであります。生活保護は、基本となる生活扶助費と各種の加算で構成をされております。一九八九年から二〇〇三年の十四年間に、生活扶助基準の伸び率を見た場合、七十歳未満では伸び率が一五・六%アップで、これに対して七十歳以上は五%アップにとどまっている。したがって、実質的には老齢加算はこのアップ率の違いによって相殺をされております。この老齢加算の段階的な廃止に追い打ちをかけるのが見舞金制度の縮小であります。私は、不服審査請求までして老齢加算廃止の撤回を求めるお年寄りの話、先ほど紹介をいたしましたけれども、この声を代弁して、少なくとも見舞金の縮小は行わないよう強く要望をいたします。 市立病院についてであります。私は、去る四月二十三日、既に小児救急二十四時間診療体制を実施をしております神奈川県の藤沢市の市民病院に視察に行ってまいりました。二〇〇二年から小児救急二十四時間対応するようになりました。救急患者年間二万五千人のうち小児救急が一万二千人、約半分いるのに小児科医が常駐しているわけではなかったということ、また休日の夜間診療所でも平日は夜十一時以降の診療がない、空白時間が存在していたということ、また輪番制では限界があるということで、理事者の方も小児救急二十四時間診療体制に踏み切ったと伺いました。一番印象的だったのは、疲れたお医者さんに診てもらうことほど患者にとって不幸なことはない、この言葉が大変印象的でございました。 また、奈良県の保険医協会が去年行ったアンケートでも次のような結果が出ております。保護者の九三%が子供の急病の経験をしております。小児科医を標榜している開業医でも体がもたない、人手不足などの理由で、小児救急を行わないところが半数以上あります。病院の小児科でも採算面やマンパワーの面での厳しいものがあって、六四%が小児救急を受け入れていないことが明らかとなっております。二十四時間、三百六十五日、小児科の医師と受け入れ体制がきちんとしている医療機関を公的責任で設置をしていく、これが保護者、小児科医の切実な願いであります。今後、この実現に向けて前向きに検討していただくことを強く要望するものであります。 次に、防災行政についてであります。先ほどの答弁では、奈良市内にあります百四の避難所のうち、何と四四%に当たる四十六施設がまだ耐震診断さえ行われていないという答弁でございました。阪神大震災から十年たつのに、まだ四割以上が避難所の耐震診断が終わっていない。もしあすにでも地震が起きて、避難所がつぶれていたら一体だれが責任をとるのかと思いたくなる数字であります。私は、自治体が地震対策で一番重点にしなければならないのは、住宅の耐震化だと常々思っております。戦後最大の災害は、言うまでもなく、あの阪神・淡路大震災。この震災では、地震直後に亡くなった方五千五百人のうち、八三%が窒息死や圧死など家具や家の下敷きになってお亡くなりになりました。また、火災で亡くなった方が一三%おりますけれども、そのほとんどはやはり家具や家の下敷きで動けなくなって焼死したと言われる方であります。したがって、九割以上の方が、家が凶器となってお亡くなりになった、これが阪神・淡路大震災の実態であります。 震災対策の中で一番のかなめは住宅の耐震化である、このことを明確にすることが、あの震災から引き出すべき教訓ではないでしょうか。木造住宅耐震補強事業者協同組合というところがあるんですけれども、そこが過去六年間にわたって築三年以上の建築物七万四千軒の耐震診断を行ったところ、四軒のうち三軒は倒壊の危険があるという驚くべき実態を公表しております。 奈良市でも分厚い地域防災計画がありますけれども、住宅の耐震化という、このことを重点化するという問題意識は乏しいのではないかと思いながら読んでまいりました。倒れた家は人の命を奪い、火災のもとになり、消防救助の妨げになります。また、住宅をなくした被災者には仮設住宅など、耐震改修工事費用とは比べものにならないぐらい多くの公的資金が必要であります。こうした事態を生まないための住宅の耐震化は、立派な公共工事ではないかと思います。横浜市などでは、耐震診断費用を無料にして、さらに改修工事にも助成をしております。災害対策の重点をはっきりさせて対応していただくことを要望をいたします。 最後に、財政問題についてでございます。外部監査報告書では、私が読む限りでは次の四点のことが、土地開発公社の問題点の指摘として明らかになったと受けとめております。 一点目は、公社が保有する土地については時価評価を行い、含み損を明らかにし、市はその含み損を解消するよう予算化して、将来の資金負担の減少を図るべきではないか。 二点目は、長期保有土地については、事業計画を明確にして事業や売却を促進することが必要ではないか。 三点目は、土地開発公社の借り入れが利率の高い特定銀行に集中しており、競争入札を導入することが必要ではないか。 四点目は、地価下落の中で土地の先行取得のメリットがなくなっているもとで土地開発公社を存続させるのがいいのかどうか。こういうことが指摘をされていると思います。これらの指摘事項をきちんと受けとめて対応していかなくてはなりません。 今、自治体が行う外部監査については、全国市民オンブズマンが毎年イエローブックといって、監査の監査という報告書を出しておられます。奈良市は外部監査については比較的後発でしたので、最近のもの私、まだ入手してないんですけれども、それ以前のものを見ますと、かなり詳細な報告書が出ておりまして、監査のできばえと、その監査の指摘事項に対して自治体がいかに誠実に対応したかということが詳細に公表されております。 奈良市も去年度の監査に対しては報告をされておりますけれども、この指摘事項に沿ってきちんと対応していただくことをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(米澤保君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。  午後二時三十二分 休憩  午後三時十三分 再開 ○議長(米澤保君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(米澤保君) 代表質問を続行いたします。 十四番中西君。  (十四番 中西吉日出君 登壇) ◆十四番(中西吉日出君) 私は、政青会を代表して、通告しております数点について質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 さて、我が国の経済状況は、経験したことのないデフレ状態が継続し、経済活動と国民生活に大きな影響を与えています。このような状況下、小泉内閣においては、今月四日に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇四」、いわゆる骨太の方針第四弾が閣議決定され、平成十七年度と十八年度を重点強化期間と位置づけ、デフレからの脱却を確実なものとし、新たな成長基盤の重点化を図るため、郵政民営化、三位一体の改革、大胆な規制改革、社会保障制度の総合的な改革を強く進めることとしております。地方財政については、国の歳出の徹底した見直しと歩調を合わせ、三位一体の改革等地方の裁量権の拡大とあわせて、国、地方を通じた行政のスリム化の改革を推進していくこととしています。 私も議員になり、一年が経過しました。この間、質問の機会や委員会の役職等をさせていただきありがとうございました。そんな経験を経た今、奈良市が財政難でどのように乗り越えられるのか苦慮している、重大な転換期ではないかと私自身感じています。奈良市に世界遺産が存在し、伝統的な文化遺産もたくさんあり、それを有効に活用し、さらに新しいものも取り入れ、奈良市が活性化していくことの重要性を大川市長は、「世界遺産に学び、ともに歩むまち-なら」を都市の将来像とする第三次総合計画をスタートされたことにより、一番理解しておられるのだと思っております。このことは、大川市長が市政に対し三期十二年間やってこられた成果であると評価するものです。これからも市長を筆頭に理事者の皆さんや我々議員も全員でよし悪しを判断して、日々努力し、広く市民の皆さんにお伝えし、理解していただくことが大事ではないでしょうかと思います。ことしの九月には奈良市として大事な市長選挙も控えております。大川市長さんにも頑張っていただき、また再選され、奈良市のリーダーとなっていただくようお願いいたします。また、市民の皆さん方も市政に関心を高めてもらえるよい機会ではないかと考えます。我々政青会、池田幹事長が三月の定例会で申しましたように、市長を支持するに当たり、行財政改革大綱を公約にしてはと発言したところ、市長もそのことに対し、「マニフェスト、選挙が終わればただの紙」にならないよう努力すると強い決意をお聞かせいただきました。大いに期待しております。 それでは、市長に質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 本市においては、このような現状に対応し、かつ将来を見据えた行財政改革を推進することとして、行財政改革大綱基本方針案には五つの柱として、一、新たな時代に向けて-将来性-、二、市民参加による開かれた行政の推進-透明性-、三、行政体制の整備と人材の育成-能率性-、四、行政経営システムの推進-効率性-、五、施策の選択と重点化-重点性-が掲げられています。変化を遂げる社会情勢の中、新たな時代を迎え、今できることと、今しなければならないことを考え、市民のために、より豊かで住みよいまちづくりを目指し、輝ける未来へとつないでいかなければなりません。そして、市民とともに行政を進めるために、今後より一層の情報の公開や市民参加を推し進め、公正で透明性の高い開かれた市政の推進に努め、行政と市民が協議していくための仕組みを構築して、今後の変化する社会情勢、状況に対応していかなければなりません。また、地方分権時代に対応した行政制度が必要であり、行政業務の効率化、自主的な人材の育成に取り組み、分権型社会にふさわしい行政体制の整備を図り、よりよいサービスをより効果的に市民に提供するため、限られた経営資源を最大限に活用しながら、市民の目線と感覚を持ちながら成果重視の観点に基づき、コスト意識、迅速性、健全性に根差した行政経営を推進してまいらねばなりません。そのための必要な資源は、市民初め多くの人々の税金を基礎としています。景気の低迷による税収の低下は、事務事業執行の困難さを伴い、今後、行政施策の重点的な課題となってまいります。したがって、簡素な行政を目指すために、事務事業や大型プロジェクトなどについて、従来と違う考え方や進め方などを創意工夫して新たな見直しを行うとされております。行財政改革大綱方針案に対して、市長が具体的にどのようにして推進されようとお考えなのか、お聞かせください。 次に、中ノ川町地内に計画されました仮称市民憩いの森整備計画についてお聞きいたします。当初、積水化学工業株式会社の移転用地として計画されましたが、中止され、その後、仮称市民憩いの森として活用する案が出されたと思います。そこを整備するため計画策定委員会を設け、職員のアイデアも募集しながら検討されたようですが、財政難の折、現時点では仮称市民憩いの森整備計画は凍結していると聞き及んでおります。経過を少し振り返ってみますと、平成十二年二月、積水化学工業株式会社から、経費の負担及び市民憩いの森整備計画への参画と協力の申し入れがあり、平成十二年三月、積水移転中止を議会に報告され、平成十二年七月、仮称市民憩いの森整備策定委員会が設置されました。翌年、平成十三年四月、奈良市市民憩いの森整備事業基金条例が施行され、平成十三年五月、積水化学工業株式会社より六億三千三百万円が寄附されてきました。仮称市民憩いの森整備計画については、議会や各方面から意見を参考にしながら計画策定委員会において計画案を取りまとめ、実施設計の発注に向け準備を進められていたところです。依然低迷を続ける経済情勢の影響を受け、奈良市も著しい税収入の落ち込み等極めて厳しい財政状況であり、また事業規模の大きさから、仮称市民憩いの森整備計画について整備手法も含め、再度事業計画の見直しを余儀なくされてきたところであるとされています。また、積水が事業参画を予定していたハーブ園についても大筋協議されたものの、管理や運営面について最終的な調整に少し時間が必要であると考えられました。 しかし、このことにおいて、土地面積二十九ヘクタールに対し、現在約百億円の簿価が出ているように思われます。行財政改革を進めるに当たり、この際、仮称市民憩いの森整備計画も一部取り入れながら、市立公園墓地として活用してはどうでしょうか。この地域は東部地区の入り口に位置しており、現状の緑の地形を活用しつつ整備すれば、地域の雇用創出にもつながり、また季節ごとに市民がこの地を訪れることによって、墓地としてのイメージも一新し、新しい憩いの場を提供できるのではないでしょうか。奈良市は墓地需要が大きく、市営墓地も不足していると思います。隣の天理市には、奈良市に面した青垣霊園があります。霊園のイメージだけではなく、憩いの場として利用されております。市営墓地をこの地につくろうとすれば、第一に地元の理解も得なければならないし、いろいろ解決していかなければならない問題も多かろうと思いますが、財政健全化対策を進めていくには思い切った施策が必要であると考えます。市長の思いをお聞かせください。 次に、公共工事の入札制度についてお伺いいたします。さきの十二月定例会にも質問してきたところですが、ことしの五月二十六日付の新聞等にも発表されました。地域性を撤廃し、入札者をふやし、また郵便入札を導入されるとのことですが、それをA、Bランクの業者に適用されるとの方針発表でした。平成十三年、十四年に公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律ができ、入札制度は改革実施され、入札の透明性、公平性、競争性の確保がなされており、平成十五年には、入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律が施行されました。経済状況の悪化、市財政の逼迫した現状の中で、収支の抑制だけを主体とした入札制度では、安全な工事の履行が確保できないのではないかと思うところです。昨年度発注工事を見てみますと、各ランクで工事件数に大きな差が出ているように思われます。これは公平性に欠けると思うのですが、どうでしょうか。 次に、最低制限価格六七%を当面現行どおりとされておりますが、発注工事の内容によって制限価格を直接工事費の率によって算出する方法はとれないのでしょうか。定例会の市長答弁で、設定率には今後検討していき、安いものよりか的確な施工能力が必要と述べられました。この価格で請け負えば、業者の努力によって赤字が出ない工事になる、また完全施工を行うことができる、本当の公平性や競争性につながる入札として、業者の行き過ぎた競争を招くことにならない入札制度を早く確立していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。 次に、ランクごとに業者二十社程度と三十から三十五社のグループ分けをされています。土木工事、AとBランクの業者は一グループ制やJV制、Cランクは三グループ制、Dランクは四グループ制、E、Fランクは五グループ制、建築工事に関しては、A、B、Cランク業者は一グループ制、Dランクは三グループ制、E、Fランクは二グループ制、舗装工事や造園工事は経営審査の点数によって分けられておりますが、入札時に施工場所は考慮せず、地域性を撤廃して行われるともお聞きしておりますが、今まではどのランクもグループ制に地域の業者が参加して入札を実施されたことによって、たくさんの業者が入り乱れ、混乱も起きていました。今申し上げましたように、これからはグループ制だけで入札を実施されることは少し理解できるのですが、地域住民の協力や要望された工事に対し、地域を重視したグループ制の方法も考えられないのでしょうか。この入札制度は、ことし六月に実施されているようですが、なお一層よい案を検討されたいと思うところです。この点について市長のお考えをお聞かせください。 次に、観光産業についてお伺いいたします。私たち政青会も観光産業に対し注目し、定例会、委員会でも質問や提案をしてきたところです。奈良市の経済を支えているのは観光であると自然に浮かんできますが、この思いは私だけではなく、理事者や議員の皆さんも同じで、観光産業の活性化には特に前向きに取り組んでおられることもよくわかります。一つの例として、冬にしか行われていなかった鹿寄せを、より多くの観光客に見てもらうために、七月から十一月まで延長されました。このことは評価に値すると思います。また、市長は以前から奈良市に温泉をと提案され、計画をされておられましたが、具体的に事業着手に至っておりません。今の経済状況を考えても、温泉計画を実施するにはいろんな問題をクリアせねばならないし、大変な時間と労力がかかると思われます。 そこで、予算案の中に温泉掘削計画の推進対策費として予算を計上されておりますが、今後の方針を詳しくお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、環境清美工場についてお聞きいたします。現在もいろいろ議論されているところですが、一つの例として聞いていただきたいのですが、私の住んでいる杏町自治会を含め奈良市の九自治会が、大和郡山市清掃センターに隣接しています。そこで、奈良市九自治会、大和郡山市八自治会、両市合わせて十七自治会と学識経験者及び両市代表を委員として、昭和六十一年度に周辺地域の環境保全を目的として、大和郡山市清掃センター環境保全委員会が設置されました。その委員会で地域住民と話し合いや各環境測定結果報告を受けております。測定結果は、奈良市環境清美工場と余り変わりなく、国の定めている環境水準をクリアしています。また、大和郡山市清掃センターでは、ごみ等を焼却した熱を利用した市営プールや、埋立地を専用グラウンドや利用者に対し駐車場として活用しております。また、そこを郡山市民だけではなく、他市の住民であっても利用することができます。我々の社会生活において清掃工場は必要不可欠な設備である、共存をしていかなければならないのが現状であります。そういう観点から、今後も監視を含め、住民と行政が意見を交換していかなければならないと思います。 そこで、奈良市環境清美工場におきまして、行政と住民との間で公害調停が起こされており、良好な関係とは言いがたいのが現実であると思います。いきなり移転だけを大きくクローズアップされ、主張される個人や団体がありますが、移転するのは周辺住民にとって一番最良の方法だとは思いますが、用地の確保など財政面や移転先住民との問題が非常に大きな課題となります。この問題については、先ほども言いましたように、私の地域のように、隣接地域の人たちとよく意見交換して、双方良好な関係を構築し、問題の解消を図るように努力していかなければならないと思うのですが、市長のお考えをお聞かせください。 次に、市立奈良病院についてお聞きいたします。十二月の移譲まであと半年足らずとなり、準備も整いつつあると聞き及んでおりますが、前回にも質問させていただいたように、市民にとって信頼でき安心できる病院にしていくためには、奈良市、奈良県、北和地域でおくれている医療サービスを政策医療で担っていくことが大切であると思います。昨年十月に基本構想が公表されて以来、ことし二月に発足した開設協議会でも、救急医療を含む公的責任を求める意見が出されたようであります。例えば、小児救急の充実は多くの住民から要望が寄せられているものであり、少子化の時代において子育て支援の一環として重要であると考えます。本年十二月にいよいよ市立奈良病院へ移行するに当たり、地域の中核医療機関として、市民の立場に立った特徴、つまりサービスをきちんと示していく時期に来ていると思いますが、政策医療についてどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、施設の老朽化を初め施設の改修や医療機器の更新等ハード面においても整備も求める声があります。移譲前の国の事前整備により、奈良病院の外来診療棟が一部改修され、また県内で初めてという、乳がんの病理組織診断のための最新鋭機器マンモトームが奈良病院に導入されましたが、基本構想に表記されてあるように、さらに診療機能を高め、医療サービスの向上につなげていくために、今後どのようにしていくおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。 以上、私の第一問を終わらせていただきます。 ○議長(米澤保君) 市長。  (市長 大川靖則君 登壇) ◎市長(大川靖則君) 十四番中西議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず初めに、私の四選目指した市長選挙につきまして、大変激励のお言葉をちょうだいいたしまして本当にありがとうございました。頑張って選挙戦に努めてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 行財政改革についてでございますが、その推進につきまして、まず五つの大きな柱を掲げ、全庁的に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。したがいまして、行財政改革大綱の策定に当たりましては、多面的に検討を行い、発効させてまいりたいと考えております。予算や職員などの限られた行政資源を有効に活用するためには、特に今後は効率性を重視した簡素な行政を目指すことが必要であります。まずは、業務の見直しなどを通じて行政体制のスリム化を検討してまいり、従来からの本市の進めてきました施策や、これから必要と考えられる事業など、行政に期待される事業はしっかりと進めていかなければならないと思っております。今後は、さらに市民の皆さんの御意見を参考にしながらも、また民間活力の導入も積極的に取り入れて市政の推進を進めていきたいと思っております。 次に、市民憩いの森整備計画についてでございますが、御指摘のとおり、平成十三年五月に積水化学工業株式会社より寄附を受けた全額を奈良市民憩いの森整備事業基金条例を設けて、そこで保管をさせていただいております。本計画は、職員のアイデア募集や計画策定委員会の開催を経て、最終の計画案がまとまっておりましたが、奈良市を取り巻く社会経済情勢の変化等により、現在は計画を凍結しているところでございます。 市立公園墓地建設をしてはとの御意見でございましたが、この点につきましては、現在のところは予定をいたしておりませんが、市民の墓地に対する需要のニーズから考えて、またほかの場所、あるいは何らかの形で考えていかなければならないと思っております。 次に、入札制度について、まず公共工事の入札に当たっては競争性、公共性、透明性に意を用いた制度を取り入れられなければならないのでございますが、適正な工事の施工がなされることが前提でございます。今後とも市といたしましては、適正な工事の施工がなされつつ、競争性、公正性、透明性が発揮される入札制度を考えていく所存でもございます。 次に、最低制限価格の算出方法についてでございますが、現行では、最低制限価格は、御指摘のとおり、予定価格の六七%ということで設定をさせていただいております。この点につきましては、最低制限価格が低過ぎるためにかえって競争性が薄れるのではないかと御指摘もあるところでございますが、今後どのような形で設定するのか、一番適当な方法を慎重に検討してまいりたいと思っております。 次に、ランクごとに工事件数に差が出ている点についてでございますが、これも御指摘のとおり、昨年度の市発注の工事につきましては、ランクごとに工事件数がまちまちになっているという結果が出ているところでございます。この点につきましては、今年度からのランクにおきまして発注基準等に反映をいたしまして、できる限りランクごとの発注件数に差が出ないよう努力をしてまいりたいと思っております。 次に、温泉計画でございますが、奈良の恵まれた観光資源に温泉を組み合わせることが、新たな観光客を掘り起こせる非常に有効な魅力のある資源と考えておりますので、本年度温泉事業の予算を計上させていただきました。今後の方針につきましては、現在、猿沢池周辺の関係団体等が集まり、地域の活性化を図るまちづくり協議会を立ち上げていただきました。奈良市もこの協議会と連携を図り、そしてまた国のまちづくりメニュー等も取り入れながら、温泉を利用したまちづくりを進めていきたいと、そんなふうに考えているところでございます。 次に、環境清美工場についてでございますが、市民生活を営む上でなくてはならない基幹施設であります環境清美工場の運営につきましては、環境に対する負担を軽減し、公害を発生させないよう適正管理に努めることは言うまでもございません。何よりも隣接地域住民はもとより、市民の皆さんの御理解と御協力、最も大切でございます。御指摘のとおり、隣接地域住民と良好な関係を構築し、意見交換を通じて問題の解決を図るべきと考えております。 次に、市立奈良病院における政策医療の取り組みについてでございますが、救急医療については、救急告示病院の指定を受けるとともに、病院群輪番制に参加し、救急二次病院の役割を果たし、また、小児救急につきましても小児科病院輪番制に参加することとしており、当面、小児科病院輪番制を拡充してまいりたいと思っております。 そこで、救急医療の充実を図るため、国が実施する事前整備におきまして、現在の一室のみの救急室を、救急患者を搬入する際の処置室を設け、診療室を三室にして拡充しております。これによって、市民が安心して救急医療が受けられる体制が整うのではないかと思っております。 次に、初期整備についてでございますが、初期整備は、移譲前に国が行う事前整備と、移譲後に市が行う整備がございます。そこで、市立奈良病院の診療機能を高め、医療サービスの向上を図るとともに、患者のプライバシーの保護、アメニティーの改善をもとに、国の事前整備では内科、小児科、泌尿器科、眼科、皮膚科などの外来部門の改修や拡張、次に救急外来の拡張、また手術室の改修、あるいは医局と医長室の移動と拡張が実施されております。医療機器整備としましては、眼科では眼底カメラ等、耳鼻咽喉科では耳鼻咽喉科用手術顕微鏡等、内科では内視鏡ビデオシステムや超音波診断装置、人工呼吸器等、外科系では内視鏡外科用手術システム等、放射線科ではX線テレビ装置、乳房撮影装置等が更新されております。 移譲後に市が実施する整備内容は、国の事前整備に引き続き、外来診療棟の改修工事を予定しており、現在、実施設計を委託しているところでございます。また、高度医療に対応するため、MRI、X線CT、血管造影撮影装置の医療機器の更新を予定しているところでございます。 以上です。 ○議長(米澤保君) 十四番中西君。 ◆十四番(中西吉日出君) 二問目は自席より行わせていただきます。 市長、御答弁ありがとうございました。 まず、行財政改革についてですが、御答弁いただきましたとおり、変化する社会情勢の中、全庁一丸となって取り組まれ、幅広い検討をし、限られた行政資源を有効に活用され、本市が進めてきた必要な施策や事業などしっかり進めていかなければならないことは言うまでもないと思います。また、市民の意見も参考にされ、民間活力の導入も積極的に取り入れ、市政を推進していくという大川市長の強い意志をお聞かせいただきました。これからも大川市長のさらなる行政手腕を御期待し、お願いとさせていただきます。 次に、市民憩いの森整備計画についてですが、この土地を有効活用するため、職員や市民のアイデアを募り、市民憩いの森を計画されたのですが、その計画の一部を生かし、自然を残しながら公園墓地をつくることが奈良市にとってよいのではないでしょうか。それには、地域住民の理解を得られるように考えていかなければなりませんが、例えば公園墓地を国道よりもなるべく中の方につくり、入り口には、地域の人たちが収穫された野菜とか果物類など、道の駅のような販売する場所を提供して活用してもらえるような施設をつくり、地域住民の利益をも得られるようなことも考え、また、市民やこの地を訪れる人たちの憩いの場となるような施設にすればイメージが一新され、いやしの空間となり、よりよい方向に行くように思います。このことは非常に難しく困難な問題とは思いますが、何もしないで荒れ地で、いつまでも手をかけないで置いておくと、奈良市にとってよい結果にならないと思います。この土地を有効活用することによって、東部地域の入り口が活性化するように思われますので、早急に検討していただくようお願いしておきます。 次に、入札制度についてですが、透明性、競争性、公平性が高まり、わかりやすくなった制度だとは思いますが、工事発注のばらつきがいまだ改正できてないようには思いますし、奈良県も入札制度を見直しされ、公平性を重視されています。奈良市も奈良県のような入札制度を参考にして取り入れれば、なお一層競争性、公平性など高まってくるのではないかと思います。また、地域中心的なグループ制も含め、よりよい入札制度になるよう、特に慎重を期して考えていただくよう要望しておきます。 次に、温泉計画についてですが、計画されてもなかなかできないのは、問題が非常に多く山積しているからだと思われます。恵まれた観光資源に温泉を組み合わせたら、新たな観光客を掘り起こせ、非常に有効な魅力のある資源だと御答弁いただきました。本当に計画が実現すれば、民間企業も大いに観光産業に参画してくるものと思います。奈良市として、温泉計画を実現に向けて、専門知識のある方々や猿沢池周辺と関係団体等の人たちとも一緒にプロジェクトチームをつくり、意見交換をしながら取り組んでいただきたいのですが、奈良市の財政難で時間もかかると考えますが、ぜひ実現できるよう、奈良市活性化のため前向きに進めていただくよう要望しておきます。 次に、奈良市清美工場についてであります。一問目で申し上げましたように、奈良市環境清美工場を移転すべく住民の方々が公害調停を申し立てられ、双方良好な関係になっていないのですが、過去を振り返ってみますと、大和郡山市清掃センターができた当初、廃材や家庭ごみまで野焼きにされ、灰が散り、農作物が収穫できないくらいの被害が起きていました。そこで、このままでは日常生活にますます悪影響が生じてくるので、大和郡山市と隣接地域住民が何度となく話し合いを持ち、少しずつですが問題が解消され、現在は国の水準をクリアしております。 そこで、私の手元に平成十五年度分の奈良市環境清美工場と大和郡山市清掃センター、両工場の環境測定結果があるのですが、先ほど市長からも答弁ありましたように、一番問題にされておりますダイオキシン類の結果を比べてみますと、大和郡山市清掃センターの数値が〇・〇一八ナノグラムに対し、奈良市環境清美工場〇・〇〇四四ナノグラムとなっており、環境測定結果を比較しても奈良市環境清美工場が低くなっております。私たちの地域のような例もある中で、問題を解消するには、双方が良好な関係を構築し、監視も含め、よく意見交換をして、よりよい解決につながるよう努力し考えていくための話し合いの場をふやしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、市立奈良病院の政策医療の取り組みと初期整備の取り組みについて御答弁いただきました。 昨年十月に示されました市立奈良病院基本構想の基本方針には、奈良市とその近隣地域における公的病院としての使命を認識し、さらに奈良市における中核的医療機関として開設する。また、地元医師会及び他の医療機関と連携し、市民に信頼される病院として、市民が安心して暮らせる医療体制づくりを進めるとなっています。この構想に基づいて、先ほども御答弁いただきましたように、開設に向け鋭意準備が進められていますが、私ども政青会は、昨年十二月定例会の代表質問でも二十四時間小児救急医療と周産期医療などの充実について質問もし、市立奈良病院において政策医療の公的責任を果たしていただくよう要望もいたしております。開設まで準備は残すところ五カ月となり、施設や機器の整備など最終段階を迎えておりますが、基本構想にもありますように、市立奈良病院が公的病院としての使命を果たすべく、小児救急医療や周産期の医療体制など政策医療の充実を図り、地域の民間医療機関と連携を密にした、市民にも真に信頼され、地域住民の健康と幸福に大きく貢献する中核的医療機関として開設いただきますよう要望いたします。 以上、六点について質問と要望をさせていただきました。このことについて、大川市政にとっては重要な課題であると私は認識しております。国において三位一体の改革で地方交付税や補助金の見直しを行い、地方行政にとって非常に財源的に苦しい時期を迎えておりますが、このときこそ市長初め理事者が一丸となって知恵を絞っていただいて、私が質問や要望したことにつき、早期に取り組んで解決していただけるようお願いしておきます。 以上、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(米澤保君) 以上で代表質問は終わりました。 引き続きまして、質疑並びに一般質問を行います。 十番藤本君。  (十番 藤本孝幸君 登壇) ◆十番(藤本孝幸君) 民政クラブの藤本でございます。本日ラストの質問となるわけでありますが、お疲れさんでございます。もうしばらくよろしくお願いいたします。 既に通告をいたしております、私は五点のことにつきまして、関係理事者の皆さん方に質問を行います。 今回の私の質問内容は、これまで私自身が何度か質問したことがある内容等も若干含まれます。これは、私自身が議会の場で質問のしっ放しにしたくないという、そういった思いと、そしてまだできていない、実現できていない課題やその後の経過を明らかにしたいという趣旨で、重複する項目もありますが、あらかじめ御了解、御了承をお願いしたいと思います。また、一般質問でありますので、具体的な施策内容になるかと思います。その点についても御理解をいただきたいと思います。 まず一問目は、代表質問でも幾人かの方が触れられましたが、防災対策の今後について、企画部長にお伺いをいたします。 その一点目は、東南海・南海地震、いわゆる同時発生時における本市の被害状況の予測とその対策であります。同地震は百年から百五十年の間隔で発生をしており、近年、この世紀の早い時期に比較的高い確率で発生するおそれがあると指摘されてまいりました。もし、この東南海・南海地震同時発生した場合、強い揺れが一分以上続き--これも数分にわたることもあると言われています、その地震の規模はマグニチュード八・六と想定され、しかも私たちが住みます奈良盆地一帯は液状化の発生も懸念をされているわけでございます。地震の揺れは主に奈良県の南東部に集中すると言われておりますが、本市にとりましても、その影響がまことに心配をされるところであります。既に第二次奈良県地震被害想定調査検討委員会で必要な調査と検討が加えられ、もし同地震が発生した場合、本市における被害状況の予測、またその対策をどのように認識をされて取り組みをされているのか、述べていただきたいと存じます。 防災対策の二点目は、災害ボランティア・NPO等の育成と環境整備についてであります。本年三月の本会議で、私は、阪神・淡路大震災の教訓を風化をさせてはならないという趣旨の質問を行わせていただきました。もし地震が発生した場合、公的な機関の動きももちろん必要でありますが、何といいましても市民の皆さん方の自助・共助が非常に重要な問題になってまいります。そういった意味から申し上げますと、市民の皆さん方が常日ごろから、万一の災害に関心を持っていただき、自主的な備えを行うことが、その被害を最小限にとどめることになります。そういった意味合いで、市民の皆さん方の自主的な取り組みであります災害ボランティア、この存在は大変大きな意義があると思います。それは先ほど申し上げましたように、あの阪神・淡路大震災で実証されています。この災害ボランティアに対する、またNPOに対する御認識と育成についてどのようにお考えかをお示しください。あわせて、その環境整備についてもお答えをいただきたいと思います。 続いて、三点目につきましては、本市における災害時の避難所の問題であります。先ほどの質問にもありましたように四十六カ所、耐震診査がまだということで、非常に私もそういった意味では心配をいたしますが、私の質問の趣旨は、こういった施設のそのものの役割の問題であります。本市では、市内の小・中学校を初め、主な主要な施設で災害時の避難所として指定をされております。万が一、地震等の災害時には、一時緊急避難所として重要な意味を持っているわけであります。こうした避難所の具体的な役割についてでありますが、災害が発生すれば、多くの市民の方々が避難所に来られることが予想されます。どのような体制でこれを受け入れるかであります。特に、市の職員さんと自主防災組織、また地元の皆さん方のさまざまな団体のお力は必要不可欠ではないでしょうか。避難所は、避難所としての器としての役割を果たしますが、それを運用するのは、やはり人の力でしかできないわけであります。例えば医療やトイレの問題、避難所そのものの機能が求められます。その対応をどのようにお考えか、お示しをいただきたいと思います。 二問目の質問は、人権行政にかかわった質問であります。同じく本年三月の代表質問でも私は、性同一性障がいについて問題提起なり、市長の考え方をお聞きをさせていただいたわけであります。大川市長は、私の質問に、この性同一性障がいの人権問題を新たな人権の問題としてとらえなくてはならない。そういう性同一性障がいの人たちが社会的に認知されるよう、あらゆる機会を通じて普遍的問題として理解されるよう啓発をしていかなくてはならないと述べられています。その後、私は、再質問という形では申し上げませんでしたが、具体的な施策を行っていただきたく、幾つかの問題提起をいたしました。その点について、今回、総務部長と市民生活部長にお伺いをいたします。 性同一障がいを抱える人々は、自分が身体的、社会的にどちらの性であるかを認識しながら、精神的には自分自身の身体的、社会的な性別に違和感を抱き、または反対の性別に属していると感じ、それにより、より強い精神的な葛藤を覚え、精神の性別と生まれ育てられてきた性別の間に生じる適応障がいであります。既に国は、昨年七月でありますが、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が既に公布・施行されています。しかし、現実の問題としては、多くの性同一性障がい者は、日常生活の中で差別、偏見の中で苦しんでおられます。その一つが、市役所の窓口対応の問題であります。いろんな手続に市民の方が来られるわけでありますが、その市役所の入り口とも言うべき部分の窓口職員さんが、正しくこの問題に理解、認識をしていただかなくてはならないわけでありますが、現実にはそうなっていないと私は思います。性同一性障がい者の人権を守るためにも、まず市職員の皆さん方の研修、特に窓口職員の対応について研修なり対応をきっちりと取り組んでいただきたいと思いますが、その点、総務部長からお答えをいただきたいと思います。以降の質問につきましては、市民生活部長にお伺いをいたします。 二点目は、市役所の公文書の問題であります。性別記載を用いた様式がたくさんあるんではないでしょうか。これも私、三月議会で幾つぐらいあるかお調べをいただきたいという問題提起をさせていただきました。わずか三カ月でありますので、膨大な事務文書の調査ですから、そう簡単にはいかないと思うんですが、わかる範囲で結構ですから、現時点で奈良市役所が用いています文書の中で性別記載幾つぐらいあるか、述べていただきたいと思います。また、法律に定められたもの、また任意なもの、そういったことも含めておわかりであれば、よろしくお願いしたいと思います。 同じく三点目は、重要な人権課題として性同一性の問題について取り上げているわけでありますが、本市の「人権教育のための国連十年」奈良市行動計画の中には、まだきちんと位置づけられておりません。今後の人権施策を展開していく場合、きちんとした施策として位置づけ、取り組んでいく必要があります。性的少数者、ごくごく少数の人の人権であったとしても、先ほど申し上げました本市の国連十年奈良市行動計画の中に位置づけ、取り組んでいくことを望みます。この点についてもお答えをいただきたいと思います。 最後に四点目は、市民啓発の問題であります。本市には、人権啓発センターが設置をされ、社会教育や学校教育、生涯教育の場でも、あらゆる場で人権教育が積極的に進められています。今後、重要課題の一つとして、この性同一性障がいの課題、どのように啓発を取り組んでいかれるのか、お示しをいただきたいと存じます。 三問目は、議案第七十五号についてお伺いをいたします。これまで同和地区の劣悪な生活環境を改善する目的で、この条例にありますように、住宅新築資金貸付等の制度が七〇年から九八年まで二十八年間、本市でも実施をされてまいりました。ここに来て、大変残念なことでありますが、回収できなかったお金が五億八千万、六億に近いこの数字を見て、私は本当に愕然とした思いがございます。確かにこの制度を活用して地区の相当な環境改善が進んだことも事実であります。その結果、衣食住といった生活環境や住環境の格差は、私はほぼ解消したものと認識をいたしております。しかし、先ほど申し上げましたように、回収ができなかった、これなぜなのかということであります。この数字だけ見ますと、かえってこれまで積み上げてまいりました同和施策が、本当に市民の皆さん方に受け入れられない、もっと強く言わせていただきましたら、かえって部落差別を助長、拡大するおそれがあるんではないかと、私はそう認識をいたしております。本当に深刻であり、重く受けとめねばならないこの事実をどうお考えか、お示しをいただきたいと思います。 四問目は、男女共同参画社会にかかわってであります。この男女共同参画社会を実現させるために、法整備も相当進められてまいりました。国や地方自治体を初め、まさしくさまざまな分野で積極的にこの参画社会の実現に向け取り組まれています。本市でも条例を制定して、男女共同参画センター「あすなら」も開館して久しくなるわけであります。しかし、まだ男女共同参画という立場から申し上げますと、まだまだ課題がたくさんございます。そういった中で、今回国から示されました女性のチャレンジ支援策がございますが、この内容、項目だけ見ますと、女性の活躍度のアップ、いつでも、どこでも、だれでもチャレンジできる社会環境を整える目的であるということであります。今、準備をされていると聞いておりますが、この女性チャレンジ支援策はどのような内容で本市で取り入れられようとしているのか、その概要について述べていただきたいと思います。 続いて、かねがね私も質問をしてまいりました、DVの問題であります。夫、恋人からの家庭内暴力の問題であるドメスチック・バイオレンスの問題でありますが、女性の、それこそ生命や人格にかかわる、まさしく大きな社会問題として今日は認識されるようになりました。ちょうど四年前、私が初めてこのDVの問題について本議会で質問を行いましたが、当時はさほど認識がされていなかったように感じます。家庭の問題、夫婦間の問題という形で済まされていたこの問題が、今や社会の大きな問題であるということが認知され、さまざまな取り組みが各分野で展開をされています。 そこで、私は、昨年度本市の女性相談窓口に寄せられた件数、その内容について、このDVに関する相談が何件ぐらいあったのか、そして、その主な内容と特徴について述べていただきたいと存じます。 最後に、教育総務部長に二点の質問を行わせていただきます。 その一点目は、児童・生徒における運動能力の低下の問題であります。年々子供たちの、小学生や中学生を初め児童・生徒の運動能力が年々低下の傾向にあるという調査結果が出ています。特に、奈良県は全国平均より悪いようであります。昨年、奈良県が県内の小学校百八校、中学校が三十二校、高校が二十三校、約四万人の児童・生徒の調査を行った結果がございます。この中でも明らかに運動能力の低下の傾向に歯どめがかかっていない、そういった顕著な調査結果が出ております。ただ、たくさん調査項目ございますんで、一部運動能力の低下に鈍化が、つまりとまっている項目もございますが、若干また上がっている項目もあるわけでありますが、平均しますと総体的にはやはり下がってきている傾向がある。奈良県が全国平均を下回っているということであります。原因についてはいろいろ考えられます。食文化の変化、子供たちが少子化により戸外で遊ばなくなったことなどいろいろあるわけでありますが、この時点で教育委員会といたしましてどのように認識を持たれているのか。また、そういった運動能力向上に向け、委員会として今後どのように取り組みを展開をされるのか、述べていただきたいと存じます。 二点目は、これも私、一回質問したことなんですけれども、左右共生社会の実現の取り組みであります。現代社会そのものが、そのありようが右きき社会となっています。きき手が左の方がごくごく少数であります。私も実は、前申し上げましたように、左ききで窮屈な人生を歩んでまいりました。ただ、学校教育現場で、やはり左きき児童・生徒への教育的な配慮が必要だと思います。それは前回お答えいただきました、左右共生社会の実現、いい言葉の響きだと思います。例えば、小学校、中学校ではさまざまな道具を使って、教材を使って子供たちが学習をします。例えば、小刀でしたらすべて右ききでありますし、左ききの児童はなかなか切れないということになってしまって、学習意欲の可能性を奪ってしまうおそれがあるんではないかと私は心配いたします。左きき児童・生徒への対応についてのマニュアルは確かにございません。しかし、左右共生社会の構築という観点から申し上げますと、やはり配慮していただかなくてはならない課題ではないかと思います。そういった意味で、より具体的な御答弁をお願いをいたしたいと思います。 以上で私の第一問を終わらせていただきます。 ○議長(米澤保君) 企画部長。 ◎企画部長(辰巳裕君) お答え申し上げます。 東南海・南海地震の被害想定についてでございますが、昨年九月の中央防災会議の公表では、死者数は全国で一万七千八百人、奈良県ではわずかという表現になっております。また、全壊棟数は全国で六十二万八千八百棟、うち奈良県では千四百棟となっております。また、本年五月には、奈良県が第二次地震被害想定調査の結果を公表しており、死者数は県内で四人、奈良市ではなし、全壊棟数は県内で千八百六十五棟、うち奈良市は百一棟という結果になっております。これらの内容につきましては、報道機関やインターネットを通じ、市民に公表されております。なお、本市といたしましては、これらの被害想定を参考としつつ、先日作成いたしました奈良市地域防災計画「東南海・南海地震防災対策推進計画」に基づき、自主防災組織の組織率向上等の対策を実施してまいりたいと考えております。 続きまして、災害ボランティア・NPOの育成と環境の整備についてでございますが、災害ボランティア・NPOは、災害時には他都市のボランティアネットワークとの連携、ボランティア本部での行政との連絡調整、ボランティア全体の活動調整など、災害時に大きな力を発揮する存在であると認識しております。したがいまして、災害ボランティア・NPOとの協働については、重要な課題と認識しております。現在、補助事業のほか、ボランティアの情報収集に努めており、今後も対等の立場でその自主性を尊重しつつ、活動環境を整え、情報の共有化に努めることにより、お互いの顔が見える関係を構築してまいりたいと考えております。 続きまして、避難所に避難してこられた市民の皆様に対する対応についてでございますが、本市では、市立の小・中学校、公民館等百四カ所を避難所に指定しており、避難されてきた市民に対しては、地域防災計画に基づき、施設の管理者や災害対策本部の避難所班等の職員により対応をすることとなっております。また、食事やトイレ、医療等につきましても、それぞれの担当の班により対応することとなっております。しかし、市職員だけの力では避難所の運営は難しく、自治会組織や自主防災組織、ボランティア等の協力により、混乱を防止し、安全かつ適切な運営を図っていく必要があると考えており、今後、それらの組織とも協議していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 総務部長。 ◎総務部長(福井重忠君) お答え申し上げます。 御質問の性同一性障がいに関しましては、昨年七月に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が成立し、本年の七月十六日から施行されることになっております。性同一性障がいが法的に認定されましたことによりまして、公文書における性別の取り扱いや接遇など、性同一性障がいにかかわってのさまざまな議論がなされております。いずれにいたしましても、性同一性障がいは、社会的差別など人権にかかわる大きな問題でございます。私たち行政に携わる者にとりましては、十分な認識を得るとともに、適切な対応が求められるものと考えております。今後、性同一性障がいを人権学習の一環に位置づけをいたしまして、職員研修を実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 市民生活部長。 ◎市民生活部長(葛原克巳君) お答えを申し上げます。 性同一性障がいにかかわっての公文書上での男女の明記の調査でございますが、現在集計中ではありますが、総数は約千四百件、そのうち約三〇%の約四百四十件が男女明記のものであります。この中には、法令に定めのあるもの、また法令に定めのないものがあり、今後、担当課と協議しながら事務を進めてまいりたいと考えております。 この問題の位置づけはどのように考えているかでございますが、性同一性障がい者の問題については、「人権教育のための国連十年」奈良市行動計画における同和問題、女性、高齢者、障がい者等の重要課題と同様、新たな人権問題として位置づけ、今後、多くの機会を通じてこの問題に対する偏見をなくすため、市民啓発を行っていかなければならないと考えております。 市民意識改革の啓発方法でございますが、性同一性障がい者への差別をなくすための市民意識改革をどのように啓発していくかについてでございますが、心と体の性が一致しないことにより多大な苦痛を感じているということを理解するとともに、性同一性障がいの人たちに対する偏見をなくす啓発をしていくことが必要と考えております。啓発方法としましては、市民だよりへの掲載やイベント開催時のパネル展示等多くの機会をとらまえ、人権が尊重される社会の実現を目指して啓発してまいりたいと思っております。 続いて、議案第七十五号についてでございますが、住宅新築資金等貸付事業は、地域住民の住環境の整備と住民福祉の向上に一定の目的を果たしてきましたが、現在は償還業務のみが残っており、その回収については種々困難な課題に直面しております。現在も多額の滞納があることについて深刻に重く受けとめております。同和問題に対する新たな偏見や助長を生まないためにも、同資金の回収業務を効率的に行うため、一部事務組合を設立して、関係市町村が一致協力して共同処理することにより、債務者や滞納者に対して公正で公平な対応のもとに回収金の増収を図り、この問題の解決を図ろうとするものであります。 続きまして、国の女性チャレンジ支援策の概要と、それを受けての市の施設についてでございますが、国では、豊かで活力のある男女共同参画社会を実現するため、意欲のある女性が社会で活躍できるよう、女性のチャレンジ支援策を打ち出しました。その内容でございますが、政策や方針の決定の場に参画する女性の登用、研究者、技術者等、従来女性が少なかった分野に新たな活躍の場を広げる雇用の促進、子育て等で一たん仕事を中断した女性の再就職支援と環境整備の三点でございます。本市におきましては、既に女性の再就職のためのパソコン講座を実施しておりますが、今後、講座や啓発等充実を図ってまいりたいと考えてございます。 続いて、平成十五年度のDV件数とその内容についててございますが、平成十五年度の女性問題相談室におけるドメスチック・バイオレンス、DVに関する相談件数は百二十二件でございました。その内容でございますが、身体的暴力に関するものが百十三件、精神的暴力に関するものが四件、経済的暴力に関するものが四件、性的暴力に関するものが一件でございます。相談の特徴としましては、相談者自身がDVの被害を受けていることに気づいていないことや、DV被害者としてどのような行動をとったらよいのか、あるいは法律上どう対処できるのかなどでございます。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 教育総務部長。 ◎教育総務部長(山本圭造君) お答え申し上げます。 児童・生徒の体力低下の歯どめについてでございますが、社会環境や生活様式の変化、生活習慣の乱れから体力の低下が見られます。また、よく運動する子供と、そうでない子供の二極化が進んでおります。こうした現状を踏まえ、積極的に運動に取り組み、運動好きな子供を育てるため、休み時間を活用した体力づくりや異年齢での外遊びをしたり、自然体験的な活動を取り入れるなど、たくましい体力の向上に努めております。今後、学校体育だけではなく、生涯にわたりスポーツに親しむ意欲や実践力を高めてまいりたいと考えております。 次に、左右共生社会における教育的配慮についてでございますが、子供一人一人のよさや可能性を伸ばし、個性を生かす教育の一層の充実を図るとともに、個々に応じたきめ細やかな指導を行うことが大切であると考えております。左ききの子供への対応につきましては、子供や保護者の願いを尊重し、教育的ニーズに応じた指導及び配慮するとともに、左ききであることが自然に受け入れられるような、個性を大切にする教育を目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(米澤保君) 十番藤本君。 ◆十番(藤本孝幸君) 二問目は自席から行わせていただきます。 私の質問に沿って答えていただきましてありがとうございます。お答えいただきましてありがとうございます。今回は、あえて再質問は行いません。私の御答弁を受けた、またその思いをお伝えをさせていただきたい、問題提起を幾つかさせていただきたいというふうに思います。 まず、冒頭申し上げました防災対策の今後についてであります。地震の被害想定というのはなかなか難しいかなというふうに思います。専門家の皆さん方が科学的な根拠や専門的な知識をもとにして集計をされ、発表されているわけでありますから、それはそれとして十分尊重されるべきだと思います。ただ、本県の特徴は、海がありませんので津波というようなことにはならないわけでありますが、私はやはり何というんですか、御回答を聞いてみますと、非常に奈良県、奈良市は被害想定が少ないというふうに見積もっておられます。それはそれでいいんですが、やはり油断大敵でございますので、やはりある種緊張感を持って引き締めを図っていただいて、さらに防災対策全般についての備えを、あえて厳しい目で行っていただいたらというふうに思います。自主防災組織の育成とかについても本議会で議論されています。ぜひそのような方向でお願いをいたします。 次の災害ボランティア・NPOの関係であります。本市でも二つのグループが活動しておられます。自主的に備えについて調査なり訓練をされているわけでありますが、御答弁の中にありましたように、今後重要になってまいります。何遍も申し上げますが、阪神・淡路大震災、私も何度かボランティアで参加したこと、強烈に焼きついているわけであります。そういった意味で、災害時にボランティア、NPOは本当に有機的に情報収集や救援活動、さまざまな活動に対応できるような、そういう体制を育成と同時につくっていかなくてはならないと思います。さらに、災害ボランティアの育成に引き続き具体的な施策を講じて、育成の観点に立って進めていただきたいと思います。 避難所の問題であります。災害は起こらへん方がいいわけですけども、万が一いうことがありますので、ただ私気になりますのは、施設の管理者や災害対策本部の職員さんが対応されるいうことなんですけども、昼間でしたら管理者、その施設におられるわけですけれども、例えば夜とか早朝とかになりますと、管理者がおられないんですね。しかも、その管理者が近くの方でしたらいいんですけども、例えば橿原とか、遠いところでは吉野郡とかから来ていただいている職員さんもたくさんおられるわけでありますから、そういった中で、もし災害になってですね、どないして来はるんですかいうことです。もちろん交通網が寸断されています。情報網も混乱をいたしております。施設管理者が、まずいち早く駆けつける体制をとっていただくのが非常に大切やと思うんですけども、その辺はまたいろいろと工夫なり御検討いただきたいと思いますが、現状ではその辺が少し気になるところであります。近くの方が一番いいということもあるんですけれども、施設の管理者の設置のその辺の関係も含めて、ぜひ避難所の対応、具体的にどうされるか、御検討いただけたらと思います。さらに、トイレ、食事の問題についてもお答えをいただきました。どっと人がたくさん来られますので、阪神・淡路大震災ではやはりトイレの問題、本当に大変やなと思いました。そういったことも含めて具体的な対応をどうされるのか、詰めた御検討をお願いしたいと思います。 性同一性障がいにかかわっての職員さんの研修、窓口職員さんの対応、十分やっていくというお答えでありましたので、それはそれでしっかりとやっていただきたいと思います。ただ、もし研修をされるならば、差別の当事者の方の意見をまずはお聞きいただきたい、その思いを受けとめていただきたい。もし可能であれば、差別の側の方の立場を、お越しいただいて、そういう話を研修をしていただいたら飛躍的に発展するんではないかと思います。 それと性別記載の問題であります。性別記載の目的は、主に本人確認だと思うんです。総数千四百件の文書のうち、性別記載があるのは約三〇%、四百四十件程度であります。その先を知りたかったんですが、法律に定められたもの、任意のもの、まだこれから集計中ということですので、次回の決算委員会なり、次の本会議の一般質問でまたお伺いをしますが、ここで改めて提案をさせていただきます。 性別記載の削除を求めたいと思います。これについてはいろいろ議論をしていかなくてはなりません。なぜ性別記載を削除なのか、その点を私のこれまでの質問なり人権施策の理念に照らし合わせて御判断をいただきたいと思います。私は、性別記載の削除をあえて求めさせていただきたいと思います。 啓発や施策の取り組みについては、これまでに引き続き行っていただきたいと思います。ただ、奈良市のいわゆる行動計画、国連十年の奈良市行動計画、恐らく来年改定をされると思います。そういった中で、具体的にこの性同一性障がいの問題を位置づけていただきたい。そして、差別、偏見をなくす取り組みの道筋をしっかりとお示しをいただきたいと思います。 続いて、男女共同参画についてであります。この女性チャレンジ支援策は、どちらかといいますと就労対策の意味合いが強いのかなというふうにも感じました。本市でもいずれにせよ何らかの形で取り入れ、既にパソコン教室とか講座、啓発は行っていただいておりますが、この制度を活用しながら、一体何ができるのか、そのことを今から準備をしていただきたいと思います。私は、やはり男女共同参画社会、女性に頑張れ頑張れというよりも、男性が変わらなあかんいうことを今まで申し上げてまいりましたが、女性が本当に元気になれるような、そんな社会、取り組みを進めなくてはならないと思います。そういった意味で、この女性チャレンジ支援策が有効に奈良市で活用できるように、今から御準備をお願いします。 DVについては、依然相談件数の増加が続いていると思います。私が所属いたしますNPO奈良人権情報センターでも、百八十件の相談のうち約七十件がDVの相談でありました。奈良県全域で行っておりますので、電話相談が主でありますが、いずれにしろ本市で行っておられます相談件数も含めて増加の傾向であります。私は、この相談というのは、入り口の部分として大変重要だなということで御答弁を聞きながらそう思いました。「あすなら」でやっておられることと、西部会館で今実施をされています。ただ、午前十時から午後四時でありますので、時間的な制約がございます。割とそういった入り口の部分の相談というようなことで、すべて解決をしないわけでありますが、多くの問題が具体的にどこへ相談に行ったらいいかということが定まるわけであります。ぜひこの相談活動、御強化をお願いをしたいと思います。 次に、議案第七十五号であります。新聞報道にもございました。もう三十年以上前から始まっている制度でありますので、一番最初に借りられた方、高齢化が進んでいると思います。そして、中には亡くなった方もあるんではないかということで、回収は大変困難であるということでありました。私は、やはり率直に言って、なぜ今となってこれほど巨額な未回収金があるのかという事実をどう受けとめたらいいかということであります。制度発足当時からきちんと回収業務を行っておられたと思うんですが、一時期嘱託職員さんを配置されてですね、回収努力もされたと聞いてますけども、例えば市税回収の滞納回収のように、本当に真剣に本腰に回収をされたような感じがしないんですね。通知を送ったり訪問というようなことは結構あったと思うんですが、やはりその辺が決定的に弱かったんではないかと思います。せっかく住環境整備が進んだのに、これでは先ほど申し上げましたが、同和施策そのものが市民から支持や理解を得られないものになってしまいます。まさしくマイナスの部分として、これはきちんと総括をしていただかなくてはならない課題であると思います。ですから、この制度発足以来の、このことをめぐって今さらとやかく言っても時は戻らないわけでありますが、今現在本市で行われています、例えばですね、同和保育料の五〇%減免、資産税、国保料の五〇%減免、さらにはさまざまな課題があるかと思います。ですから、こういった観点で厳しく、ある意味では市民の理解、協力を得られるもの、そして本当に差別の解消につながることがきちんと説明できる、そういった施策をこの議案第七十五号から私は学んでいただきたいと思います。私は、この議案第七十五号、いろいろ複雑な心境はあるんですが、奈良県で組合をつくっていただいて、債権の財産の差し押さえなど法的な手続をされるいうことですので、あえて反対はいたしませんが、もしこの組合の、県の組合つくっていただくわけですが、効率が上がらへんだら、もう脱会してもうて、また自主回収に努めていただきたい、そんな思いでございます。 最後に、教育問題でございます。子供たちの体力、これが奈良県が出しました昨年度の体力テストです。中を見てみますと、五十メートル走が一番体力的に運動能力が低下をしています。詳しい数字は申し上げませんが、もう極端であります。しかも、奈良県は全国平均を下回っています。中には鈍化した状態、向上したものも若干ありますが、これは子供たちの将来にとってゆゆしき問題だと思います。歯どめをかけるには学校教育だけでは限界があると思いますので、総合的な観点に立った取り組みを御検討お願いしたいと思います。 左右共生社会につきましては、前回は理念の問題についてお伺いしましたが、今回は具体的な教育的な配慮の問題についてであります。以後、また次の決算委員会なり常任委員会で引き続き、この共生社会を実現させるためにはどういった取り組みが必要であるかいうことを私は求めてまいりたいと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(米澤保君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明十八日午前十時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(米澤保君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日は、これで散会いたします。  午後四時四十五分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長    米澤 保              奈良市議会議員    矢野兵治              奈良市議会議員    大橋雪子              奈良市議会議員    原田栄子...